破綻した暗号資産取引所ゾンダクリプト、顧客被害は約1035億円か トップが減刑求め「右派政治家への資金提供」を証言へ

概要:破綻した暗号資産取引所ゾンダクリプトを率いていたプシェミスワフ・クラル氏が、大規模詐欺への関与で訴追され、ポーランド検察への協力を始めた。証言と引き換えの減刑を求めており、顧客損失は約24億ズロチ(約1035億円)に上る。集めた資金の一部は経営陣の私的口座に流れた疑いがあり、クラル氏は約6カ月にわたりシチリアや湾岸諸国でも検察と非公式に交渉していた。証言には右派政治家への資金提供の内幕も含まれる可能性があり、巨額詐欺疑惑がポーランド政界を揺るがす「政治とカネ」の問題に発展する恐れもある。

破綻した暗号資産取引所ゾンダクリプトを率いていたプシェミスワフ・クラル氏が、大規模詐欺に加担した疑いで訴追され、ポーランド検察への協力を始めたと報じられた。

クラル氏が求めているのは、証言と引き換えの減刑だ。その証言には、ゾンダクリプトによる右派政治家への資金提供をめぐる内幕も含まれる可能性がある。ポーランドのニュースメディア「オネット」が24日に報じた。

顧客資金はどこへ消えたのか

オネットによれば、ゾンダクリプトの顧客が被った損失について、検察当局は少なくとも24億ポーランド・ズロチ(6億5000万ドル、約1035億円)に上るとみている。

しかも、捜査当局が描く資金の流れは穏やかではない。

顧客から集めた資金のうち、実際に暗号資産の購入へ回されたのは一部だけだったという。残る資金は、ゾンダクリプトの経営陣が支配する私人口座へ送金されたとされている。

半年間続いた「水面下の交渉」

クラル氏と検察の接触は、突然始まったものではない。

オネットは21日、クラル氏が検察への協力条件をめぐり、約6カ月にわたって交渉を続けてきたと報じている。

交渉の舞台となったのはポーランド国内だけではなかった。イタリアのシチリア島やペルシャ湾岸諸国でも、検察関係者との非公式な会合が開かれ、協力の可能性について話し合われたという。

4500BTCのコールドウォレットにアクセスできず

クラル氏は4月中旬、ゾンダクリプトが約4500BTCを保管するコールドウォレットへアクセスできないと公表した。それ以降、同氏はXへの投稿を止め、沈黙を貫いている。

一方、顧客資金を流用したとの疑惑については否定している。

クラル氏の説明によれば、問題のウォレットにアクセスするための秘密鍵は、ゾンダの創業者で元CEOのシルベスター・スシェク氏から引き渡されるはずだった。だが、スシェク氏は2022年から行方不明となっている。

大統領選直前の政治イベントを後援

今回の事件が単なる取引所破綻で終わらないのは、ゾンダクリプトとポーランド政界との関係が取り沙汰されているためだ。

ゾンダクリプトは、カロル・ナブロツキ氏が勝利したポーランド大統領選の決選投票を数日後に控えた時期に開催された、保守政治行動会議(CPAC)の主要スポンサーを務めていた。

さらに同社は、営業最終年だけで放送局テレビジャ・レプブリカに3700万ズロチ(約15億9000万円)の広告費を投じたという。

クラル氏が所有する企業からは、政治家のズビグニェフ・ジョブロ氏やプシェミスワフ・ヴィプラー氏と関係する財団にも資金が支払われていた。

クラル氏が検察に何を語るのか。その証言次第では、暗号資産取引所をめぐる巨額詐欺疑惑が、ポーランド政界を揺るがす「政治とカネ」の問題へ発展する可能性もある。

コインテレグラフはクラル氏およびゾンダクリプトにコメントを求めたが、連絡は取れなかった。クラル氏が4月にビットコインのウォレットへアクセスできないと公表して以来、両者のメールアドレスも利用できない状態となっている。

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