人工知能(AI)は東南アジアにおいて、もはや単なるテクノロジーの話題ではなく、経済成長の原動力となっていると、UOB(ユナイテッド・オーバーシーズ銀行)の幹部がASEANカンファレンス2026で語った。
AIツールの導入よりも、それを可能にする物理的インフラの構築にこそ大きな機会がある。
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データセンター容量の行き先
ハイパースケーラーとは、巨大な規模でデータセンターを運営する企業のこと。通常は世界レベルのクラウド需要に応じるクラウド事業者が該当する。こうした企業は現在、同地域での容量拡大を加速している。
マレーシアは近年の成長の大部分を取り込んでいる。タイ、インドネシア、ベトナムも積極的に拡大しており、投資が地域全体に広がっている。
シンガポールはまったく異なる制約に直面している。これまで高級ハブだったが、現在は土地とエネルギーの制約が強まり、これによる波及効果が周辺市場に及んでいる。
数値がその規模を示している。業界調査によれば、東南アジアには既にAIに特化した施設が数十拠点存在し、運用中・計画中の容量は数ギガワット規模に達している。
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東南アジアにおけるAIインフラ構築の動向 出典: AI Data Center Index
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予測はさらに急拡大を示す。ウッド・マッケンジーの推計では、データセンターの電力需要は2025年の2.6ギガワットから2035年には10.7ギガワットへと4倍近くに拡大する可能性がある。
別の報告書もこの傾向を裏付けている。グーグル、テマセク、ベインの「e-Conomy SEA 2025」によれば、新たに4600メガワット超の容量が計画中。これはおよそ180%の容量増に相当し、アジア太平洋地区全体を上回る成長となる。
構築にはサーバーやチップ以外にも多くが求められる。安定した電力、高度な冷却、用地、強固な送電網接続などが不可欠な要素となる。
資金調達規模もそれに応じて巨額となる。UOBのエドモンド・リョン氏は、今後5年間でおよそ1500億ドルが域内のエネルギーインフラに流入する可能性があると推計した。
世界各地でのAI導入状況 出典: Standard Chartered進展を阻むボトルネック
この資金は複数の分野に及ぶ。再生可能エネルギーや広義のエネルギー転換プロジェクトが多く含まれる。依存は双方向だ。十分なエネルギーと送電網の整備がなければ、需要がいかにあってもAIの可能性全体が抑制されるリスクがある。
金融機関が要となる。域内に展開する銀行は、ローン、債券、株式を動員し、クロスボーダーでの資金流通を促進する。役割は資金調達にとどまらず、複数の法域で事業者と規制当局、電力会社、通信事業者らを結び付ける。
選択眼が極めて重要だ。すべての案件が資金調達できるわけではなく、成功には技術的な専門性、献身的な株主、長期的ビジョンを持った運営者が不可欠。本当の障害となるボトルネックは依然存在している。電力の確保や半導体の供給が能力拡大の速度を制約する。
市場動向には救いもある。需要は最終的に供給側の対応を促し、徐々にコスト低減や効率化につながる。実行力が結果を左右する。インフラ投資を定量成果に変換するには、明確な施策、統治体制、人材の備えが求められる。
見返りの大きさは十分注目に値する。東南アジアのデジタル経済は流通総額で3000億ドルを超え、AIによる域内GDP押し上げ効果は2030年までに最大1兆ドルに達する可能性がある。
資金流の構図も興味深い。シンガポールに株式資本が集中する一方、物理的な建設は分散しており、マレーシアだけで数百億ドル規模の約束が集まっている。
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