米住宅市場の悪化で材木価格が10日続落

概要:木材先物が10営業日連続で下落し、2024年12月以来の最長の下げとなった。カナダ産木材への高関税や山火事による供給逼迫があったが、米住宅建設需要の減退を背景に650ドルから586ドル近辺まで急落。NAHB住宅市場指数は15カ月連続で50を下回るなど住宅市場の弱含みが鮮明で、需要喪失の兆候とされる。今後の焦点は580ドルのサポートで、割り込めば565ドルが次の下値となる。FRBの利下げ観測が需給を左右する見通しだ。

木材先物価格は10営業日連続で下落し、2024年12月以来最長となった。木材価格は650ドルの抵抗帯から急落し、現在は586ドル近辺で推移している。

この下落は木材業界を越えて広がる動きとなる。木材需要は米国の住宅建設とほぼ連動するが、今回の連続下落は建設業者の信頼感が数年来の低水準にある中で起きている。

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供給逼迫にもかかわらず木材価格が下落する理由

Barchartのデータによれば、木材価格は10営業日連続で終値を下げており、2024年12月以来見られなかった動きである。しかし2週間前には、まったく逆の展開が市場で広がっていた。

先物価格は7月28日に1000ボードフィートあたり650ドルまで上昇し、12カ月ぶりの高値となった。この間、供給ショックが重なったことで、12月の安値から30%以上上昇していた。

ウォール・ストリートジャーナルは、カナダ産木材への高関税や山火事、製材所の閉鎖によって供給が削減され、価格が押し上げられたと報じた。米国向け針葉樹輸入の大半を占める西カナダでは900件を超える山火事が発生した。

関税総額は約35%にのぼり、NAHBによれば新築米国住宅のコストを1万ドル程度押し上げている。それにもかかわらず、需要減少が明らかになると価格は急落した。

米国の一戸建て建設支出は6月に前年比3.3%減となった(TradingEconomics調べ)。このように、供給が制約される中で価格が大きく下落している現状は、供給過剰ではなく需要喪失の兆候である。

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米住宅市場のひずみが拡大

需要の悪化は住宅関連データにも表れている。NAHB/ウェルズ・ファーゴ住宅市場指数(HMI)は、7月に34へと低下、15カ月連続で50を下回った。これは2012年以来で最も長い弱含み局面。

一方で、7月は全ビルダーの37%が販売価格を平均6%引き下げた。NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディーツ氏は、7月のレポートでこの圧力について直接言及した。

「住宅建設業界の最大の課題は依然として住宅の購入可能性である」

緩やかな動きを示すデータも、この傾向を裏付ける。米国住宅の中央値販売価格は2022年末に44万ドル近くまで上昇したが、FREDによれば、その後41万ドル前後まで下落。2008年以来の長期的な価格軟化局面となっている。

米国住宅価格の推移 出典: FRED

住宅建設は北米木材需要の推定70~80%を占める。したがって木材価格は住宅市場のリアルタイム指標であり、現在は他の異例な警告指標とともに景気サイクル終盤を示唆する。予測市場でも今年に入って米国の景気後退リスクが上昇している。

木材価格の見通し、580ドルのサポートが鍵

日足チャートでは、7月下旬に木材は650ドルの抵抗帯を何度も突破できず下落。2025年12月から続いた上昇トレンドラインも割り込んだ。

本稿執筆時点で木材は585.75ドルと日中0.9%安となり、580ドルのサポートゾーンを試す展開。買い手がこの価格帯を守れば、反発の展開も見込まれる。

木材先物(LBR)日足チャート 出典: Tradingview

日足のRSI(相対力指数)は2025年9月以来の売られ過ぎ水準にあり、当時も大きな反発につながった。しかし破られた590ドル付近のトレンドラインが、今後は抵抗線として戻りを抑える可能性がある。

水準役割
650ドル主要な抵抗帯・7月の高値圏
590ドル割り込まれたトレンドライン・潜在的な抵抗線
580ドル直近のサポート、下値攻防
565ドル580ドル割れの場合の次のサポート

一方で、580ドルを明確に下回れば、次は565ドルが約3.5%下に控える。同水準は2025年末以降、何度も下げ止まりを見せたポイントである。

需給面では最大の要因は米連邦準備制度理事会(FRB)である。利下げ観測が浮上すれば住宅ローン金利が下がり、建設業者の木材需要回復につながる見通し。一方で住宅市況の更なる悪化は、暗号資産などリスク資産市場も波及する可能性がある。

今後数営業日で、この売られ過ぎ局面から反発に転じるのか、住宅市場の警戒がより強まるのかが見えてくる。

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