コインベースの「SNS戦略」が大爆死…Base責任者が敗北宣言「完全に読み違えた」予測市場と無期限先物でライバルに惨敗

概要:コインベースのブロックチェーン「Base」を手がけるジェシー・ポラック氏が、SNS重視の成長戦略が「間違った賭け」だったと認め、Base Appの責任者を退任した。予測市場や無期限先物で競合に後れを取り、シェアはわずか0.5%に落ち込んだ。今後は取引・決済・AIエージェントといった金融アプリケーションに重点を移し、独自トークン規格「B20」や「Base MCP」を投入。ポラック氏は「Baseを世界金融のブロックチェーンにする」と宣言し、コインベースCEOもコンテンツコイン構想の失敗を認めるなど、後戻りできない仕切り直しが始まった。

米暗号資産取引所コインベースが手がけるブロックチェーン「Base」で、かつてないほど露骨な“敗北宣言”が飛び出した。

Baseの生みの親であるジェシー・ポラック氏は、Base Appの責任者から退くことを明らかにした。その理由は、これまで推し進めてきたSNS重視の成長戦略が「間違った賭け」だったからだという。

ポラック氏は水曜日、Xへの投稿でこう振り返った。

「クリエイター向けアプリやコンテンツ、メッセージングアプリが普及をけん引すると賭けていた。しかし、その市場は完全に崩壊してしまった」

Baseはこれまで、暗号資産版SNSの「ファーキャスター」、NFTプラットフォームの「ゾラ」、各種ミニアプリなどを前面に押し出してきた。

狙いは、SNSを入り口として暗号資産を「10億人」に届けることだった。

ところが、その壮大な構想に夢中になる一方で、実際に利用者と資金が集まり始めていた予測市場や無期限先物取引では、ライバルに置いていかれた。

ポラック氏は、次のように失敗を認めている。

「SNSに集中した結果、重要性を増していた主要分野でBaseが後れを取っていることに気づいた。無期限先物にはアヴァンティス、予測市場にはリミットレスがあったが、どちらも規模を拡大した競合に大きく後れを取っていた」

予測市場のシェアはわずか0.5%

数字を見ると、その惨敗ぶりは一目瞭然だ。

デューン・アナリティクスのデータによると、Base上で展開される予測市場「リミットレス」が、7月の予測市場全体に占めた月間想定取引高は、わずか0.5%にすぎなかった。

無期限先物を扱う分散型取引所「アヴァンティス」も、デファイラマが集計した過去30日間の想定取引高ランキングで18位にとどまった。

サービスそのものが存在しなかったわけではない。

しかし、BaseがSNS機能に時間を費やしている間に、競合は利用者、流動性、取引高を積み上げ、手の届かないところまで先行してしまったというわけだ。

ポラック氏の発言は、Baseが2026年に入って成長戦略を急転換した背景を改めて浮き彫りにした。

今後、Baseが重視するのは、クリエイター同士の交流や投稿ではない。取引、決済、AIエージェントといった金融アプリケーションだ。

Limitless Exchanges monthly notional volume is only a fraction of its larger competitors. Source: Dune Analytics

「コンテンツコインは失敗」コインベースCEOも白旗

SNS戦略の失敗を認めたのは、ポラック氏だけではない。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOも、ポラック氏の投稿に先立つ月曜日、コンテンツコイン構想について「うまくいかなかった」と認めている。

アームストロング氏は、実に率直な言葉を口にした。

「私たちは失敗した。ページをめくる時だ」

Baseは2026年2月、戦略転換の一環として「クリエイター・リワード」プログラムと、ファーキャスターを利用したソーシャルフィードを終了した。

2025年7月に始まったクリエイター・リワードは、Base上での活動や交流を収益につなげ、イーサリアムのレイヤー2であるBaseを、よりSNS色の強いエコシステムにすることを目的としていた。

だが、ポラック氏自身、Base Appについて「完成度の低いファーキャスター用クライアントだった」と認めている。

要するに、SNSとしても中途半端で、金融サービスとしての成長も遅れてしまったのだ。

Base Appの指揮はコインベースへ返上

ポラック氏は今後、Base Appの指揮をコインベース側に返す。

新たに責任者となるのは、X上で「コビー」の名で知られるジョーダン・フィッシュ氏だ。

一方、ポラック氏はBaseのブロックチェーン基盤そのものに専念する。

アプリの運営から距離を置き、ネットワークの金融インフラ化に集中するという役割分担である。

ステーブルコインとAIに全力投球

失敗を認めたBaseだが、すでに次の一手は打ち始めている。

Baseは先週、メインネット上で独自のトークン規格「B20」を稼働させた。

これは、ステーブルコインやトークン化された現実資産(RWA)、その他の代替可能トークンをBase上で発行するための基盤となる。

さらに2026年5月には、「Base MCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)」を発表した。

Base MCPを利用すれば、ユーザーはAIモデルのチャット画面から暗号資産を直接管理し、モルフォ、ムーンウェル、ユニスワップ、エアロドローム、アヴァンティス、バンクル、バーチャルズといった暗号資産プロトコルを操作できる。

Baseは4月に発表した2026年のロードマップでも、AIエージェント経済の到来に備えて主要システムを強化すると説明していた。

成長分野として名指しされたのは、現実資産のトークン化、ステーブルコイン、そして予測市場だ。

SNSで10億人を集めるという夢は破れた。

それでも、Baseは今度こそブロックチェーン上の金融市場で主導権を握ろうとしている。

ポラック氏は水曜日、こう宣言した。

「Baseを世界金融のためのブロックチェーンにする。今後100年間、世界の資金が決済される場所にするため、できることはすべてやる」

SNSへの“間違った賭け”で大きく出遅れたBase。

世界の金融を背負うという新たな大風呂敷が、今度こそ現実になるのか。それとも、再び「読み違えた」と頭を下げることになるのか。

コインベースとBaseにとって、後戻りできない仕切り直しが始まった。

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