バーチュ・ファイナンシャル、M1Xグローバル、トレードウェブは、ソブリン・デジタル債を担保にしたオンチェーン・レポ取引を完了した。取引全体の決済は、カントン・ネットワーク上で行われた。
今回使われたのは、マーシャル諸島共和国がオンチェーンで発行した米ドル建てソブリン債「USDM1」だ。短期米国債によって1対1で裏付けられており、ニューヨーク州法の下で、完全担保付きのソブリン債務として設計されている。担保として使われている間も利息が支払われる仕組みだ。
両社によれば、ネイティブ発行されたソブリン担保と、完全オンチェーンのアトミック決済を組み合わせたレポ取引は今回が初めてだという。取引は、トレードウェブ上で規制対象の取引相手同士により実行され、レポ取引と買い戻しまでの全サイクルが10分未満で完了した。
これは、トークン化されたソブリン債務を、単なる発行・売買の対象ではなく、機関投資家向けの資金調達取引における担保として使った事例となる。ただし、まだ初期段階の試みにすぎず、このモデルが機関投資家向けレポ市場全体に広がるかどうかは見通せない。
発表によれば、USDM1は電子取引プラットフォームのトレードウェブを通じて利用可能で、機関投資家向けカストディはアンカレッジ・デジタル、ビットゴー、tZEROが提供する。
カントン・ネットワークに機関投資家の動き相次ぐ
カントンは、機関投資家向け金融を想定して設計されたブロックチェーン・ネットワークだ。規制下の取引やトークン化資産を扱うため、プライバシー機能や許可制の仕組みを備えている。
今回のレポ取引に先立ち、7月にはトレードウェブが、フランクリン・テンプルトンからバーチュ・ファイナンシャルへのトークン化米国債のリアルタイム移転をカントン上で実施した。この取引はUSDCxを使って決済された。
8月に入ると、ネットワーク上の動きはさらに加速した。ファルコンXとインタースティスは、カントンをイーサリアム、ソラナ、ロビンフッド・チェーンと接続するクロスチェーン・スワップエンジンを立ち上げた。さらに、ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、同社のステーブルコイン「USD1」をカントン上でネイティブ発行した。
デジタル・アセットと、ポール・ライアン元米下院議長が設立したアメリカン・アイデア財団も今月、2027年にカントンを使って米国3州の州政府給付金を配布する実証実験計画を発表している。

