【日本の暗号資産が歴史的大転換】「株と同じ扱い」に──インサイダー取引も違法化、無登録業者は懲役10年へ

概要:日本の国会が暗号資産を「金融資産」と位置付ける法改正を可決した。決済手段として扱ってきた従来制度から大きく転換し、株式市場並みのインサイダー規制や厳格な監督体制を導入。日本の暗号資産市場は新たな時代へ突入する。

日本の暗号資産市場が、大きな転換点を迎えた。

国会は16日までに、暗号資産を金融商品取引法(FIEA)の「金融資産」として位置付ける法改正を可決した。これまで決済手段として規制してきた資金決済法(PSA)の枠組みから脱却し、株式などの金融商品に近いルールへ移行する。

今回の法改正では、暗号資産業界に対する監督が大幅に強化されるほか、インサイダー取引の禁止など、従来の金融市場と同様の規制が導入される。

世界各国が暗号資産を既存の金融システムへどう組み込むか議論を続けるなか、日本は最も大胆な制度改革の一つに踏み切った格好だ。

暗号資産交換業者への規制を大幅強化

改正後は、日本国内で事業を行う暗号資産関連企業に対し、これまで以上に厳しいコンプライアンス(法令順守)が求められる。

特に注目されるのがインサイダー取引規制だ。

トークン発行体や暗号資産交換業者、そのほか市場参加者は、一般公開されていない重要情報を知った状態で売買することが禁止される。

これは株式市場で適用されているルールとほぼ同じ内容であり、暗号資産市場でも市場の公平性を守ることが狙いだ。

Source: Reuters Legal

無登録営業は「懲役10年」に厳罰化

今回の法改正では、無登録で営業する事業者への罰則も大幅に強化される。

従来は最長3年だった懲役刑が最長10年へ引き上げられるほか、罰金も約300万円から1000万円へ増額される。

さらに、インサイダー取引に違反した場合には、

  • 懲役5年以下
  • 罰金500万円以下
  • またはその両方

が科される可能性がある。

「交換所」から「取引会社」へ名称変更

制度変更に伴い、登録事業者の呼称も変更される。

これまでの「暗号資産交換業者(Cryptocurrency Exchange)」ではなく、**「暗号資産取引会社(Cryptocurrency Trading Company)」**という名称へ改められる予定だ。

これは暗号資産が単なる決済手段ではなく、本格的な金融商品として位置付けられることを象徴する変更といえる。

世界でも進む「金融商品化」

日本の動きは決して特殊ではない。

世界各国では、暗号資産だけを対象とした独立した制度を作るのではなく、既存の金融ルールへ組み込む流れが加速している。

南アフリカでは税務当局が既存の税法を暗号資産へ適用するガイドラインを公表。米国でも証券法や商品先物法をどのように暗号資産へ適用するか、規制当局による整理が進められている。

今回の法改正によって、日本の暗号資産市場は従来以上に厳しい規制下へ置かれる一方で、伝統的な金融市場と同等の信頼性を備えた市場へと近づくことになる。制度の施行は今後1年以内と見込まれている。

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