コインベース、米国株を暗号資産のように24時間取引へ エヌビディアやアップル株を「ベース」でトークン化

概要:コインベースは米国株をトークン化した商品を、同社のレイヤー2ブロックチェーン「ベース」上で提供開始し、チェーンリンクと統合して価格データをDeFiに供給する。エヌビディアやアップルなど有力企業の株式トークンは「B20トークン」として発行され、米国外のユーザーが自己管理型ウォレットで24時間取引できる。裏付け株式はブローカー兼カストディアンのアルパカが保管し、アブダビ・グローバル・マーケットの監督下で運営。トークン化株式はDeFiの融資担保や分散型取引所での利用も可能で、市場総額は約24.8億ドルに拡大しており、株式とDeFiを直結する新たな金融インフラづくりといえる。

「米国株は、証券会社が開いている時間に取引するもの」――そんな常識が、いよいよ崩れ始めた。

コインベースは月曜日、米国株をトークン化した商品を、同社のレイヤー2ブロックチェーン「ベース」上で提供開始した。同時にチェーンリンクとの統合も実施。トークン化株式をDeFi(分散型金融)アプリで利用するために必要な価格データを提供する。

チェーンリンクの「データ・フィード」が継続的に価格を配信する対象には、エヌビディア、アップル、メタ、アルファベットなど、米国を代表する企業の株式トークンが含まれる。

この価格データにより、DeFiプロトコルはトークン化株式を融資市場や分散型取引所、ストラクチャード商品へ組み込める。株式トークンを担保として差し入れ、暗号資産などを借り入れることも可能になるというわけだ。

チェーンリンクの資料によると、各トークンの評価額は、元となる株式の市場価格と、コインベースが提供する調整倍率を使って算出される。この倍率には、配当や株式分割などのコーポレートアクションが反映される。

株式の権利を裏付けにした「B20トークン」

株式トークンは「B20トークン」として、ベース上で直接発行される。利用できるのは、対象地域に居住する米国外のユーザーだ。

ベースの説明によれば、各トークンは、規制下の証券ブローカー兼カストディアンであるアルパカが保管する株式を裏付けとしている。保有者には、裏付け株式に対する直接的な請求権が与えられる。

この仕組みは、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の監督下で運営される。トークンは自己管理型ウォレットで保有でき、原則として24時間取引できる。

つまり投資家は、ウォール街の取引時間や証券会社の営業時間に縛られず、株式の価値をブロックチェーン上で動かせることになる。

エヌビディア株を担保に借り入れも

ベースは、トークン化株式を既存のDeFi基盤へそのまま組み込めるとしている。

例えば、トークン化されたエヌビディア株をレンディング大手アーベで担保に使い、資金を借り入れる。あるいは、トークン化されたアップル株を分散型取引所へ供給し、取引に利用する――といった使い方だ。

今後数週間で、コインベースが扱うトークン化株式はさらに追加される見通しだ。

トークン化株式市場は約3943億円に拡大

今回の動きの背景には、トークン化株式市場そのものの急拡大がある。

RWA.xyzのデータによると、トークン化株式の総額は約24億8000万ドル(約3943億円)に達した。過去30日間で5.2%増加している。

月間送金額は272億8000万ドル(約4兆3375億円)まで膨らみ、保有者数も210万を突破した。

株式をブロックチェーン上に移し、24時間売買するだけではない。融資の担保にし、取引所へ供給し、さまざまな金融商品へ組み込む――。

コインベースが始めたのは、単なる「株のデジタル化」ではない。株式とDeFiを直結させる、新たな金融インフラづくりなのである。

Tokenized stocks. Source: RWA.xyz

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