イーロン・マスク氏が人工知能(AI)の進化を「超音速の津波」に例えて予測した。同氏は月曜日にXでこの主張を投稿し、2026年春以降、AI成長が急変する様子を示すチャートも添付した。
このチャートは2023年7月から2026年7月までの月次推移を示す。2024年11月を「終わった」と記し、2026年に入ると曲線が急上昇している。
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この時期はAIブームが一時的に落ち込んだ時期である。各種報道機関は、オープンAIが開発する次期モデル「Orion」がGPT-4からさほど性能向上しないと報じ、AIの拡張に限界があるとの懸念を呼び戻した。しかしオープンAIのサム・アルトマンCEOは「壁はない」と反論した。
AI成長、緩やかな始まりから急拡大へ
このチャートの形状は、最近のベンチマーク結果とも一致する。マスク氏率いるxAIが開発した「Grok 4.5」は、独立系Artificial Analysisによるエージェントベンチマークで、コストと速度の両面で他社モデルを上回った。
AI is a supersonic tsunami pic.twitter.com/JSaE91DkHS
— Elon Musk (@elonmusk) August 3, 2026
またマスク氏は、スペースXのエンジニアリングデータをGrokの次回学習に活用すると明らかにした。このデータは米国武器輸出規制の範囲外に限定されている。現実世界の物理課題に対する推論能力の強化が狙いであり、テキストデータのみでは補えない分野での向上を目指す。
xAIの急成長は、マスク氏自身の評価にも変化を促している。同氏は最近、Anthropicに関する従来の否定的見解を撤回し「業界の現リーダー」と評価した。この転換は、単なるチャート上の動きだけでなく、実際のラボ間競争が津波に例えられる背景であることを示唆している。
マスク氏のAI予測、過去の発言と一致
「超音速の津波」発言は、今年1月ダボス会議でのマスク氏の発言を思い起こさせる。AIが2026年末までに「一個人の知性」を超えると述べたものである。AIが人間の多くの作業で知的水準が同等になる段階(AGI)を指す。
同氏は別途、AIが5年以内に「全人類の知性の合計すら超える」と予測している。これを「歴史的な経済機会」と「存在的リスク」の両面で捉え、AIは人間の制御を超える一方で「極端な物質的豊かさの時代」をもたらす可能性を強調する。
しかし、すべての専門家がこの予想に賛同しているわけではない。AI分野の「ゴッドファーザー」とされるジェフリー・ヒントン氏は、広範なAGI実現はマスク氏の予測より遥かに遅れ、最長20年かかる可能性があると述べている。
この見解の相違は暗号資産業界にも及ぶ。暗号資産業界のAI転換を巡る報道でも、インフラ需要は増すものの自律化の時期には議論がある。Artificial Superintelligence Allianceのベン・ゲーツェルCEOは、既に高度なAIシステムが国家レベルの能力に追いつきつつあると警鐘を鳴らす。この見方は、マスク氏の加速した予測に一定の裏付けを与える。
こうしたチャートの軌道が2026年いっぱい続くかは未検証である。しかしマスク氏は、波が後退するのではなく拡大し続けるとみる姿勢を鮮明に示した。この予想は、他者の見方と無関係に同氏が信じている内容である。

