アジアの株価指数はほぼ全面安の週となる見通しが強まっている。一方、債券市場への懸念が続く中で、ビットコイン(BTC)と金は共に上昇し、市場参加者は安全資産に資金を移している。
こうした動きは、リスク回避が広がっている状況を示す。米国債利回りの上昇が今週、アジアと米国の株式市場を圧迫した。投資家は価値保全とされる資産に資金を移している。
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アジア市場、債券圧力で下落
日本の株式市場で日経平均株価は金曜日の寄り付きで0.8%下落した。これにより、今週の下げ幅は一時4.4%まで拡大した。
日経平均は下落、米株指数の動きと連動 出典:Trading View
韓国と台湾市場も金曜日に小幅上昇したものの、週では下落で終えた。今週はコスピのサイドカー発動も株価回復を阻んだ。日本を除くMSCIアジア太平洋指数の週間上昇率は0.5%にとどまった。
売りの背景には米国債利回りの上昇がある。利回りは一時停止の後に再び上昇し、30年物は5.25%、10年物は4.71%となった。
スコット・ベッセント財務長官は政府による国債買い戻し拡大の可能性を示唆した。財政健全化についても言及したが、ワシントンが歳出削減で財政赤字を縮小できる可能性を疑問視する声が多い。
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赤字額は国内総生産(GDP)比で6%を超えて推移している。金利支払いだけでも本年は1兆2000億ドルを突破する見込み。
「歴史的に、市場は記録的な債務水準や高水準の赤字といったファンダメンタルズが自分たちの側にあると判断すれば、介入が過大となるリスクを強く警戒して押し返す傾向がある」
ドイツ銀行のスティーブン・ゼン・ストラテジストが語った。
地域市況を圧迫したのは原油価格も同様だ。ブレント原油は一時1バレル94.71ドルの1カ月ぶり高値に達したが、米国がイランへの制裁強化を示唆した後、93.12ドルまで下げた。
ビットコインと金、安全資産として上昇
アジア株が軟調な一方、ビットコインと金は上昇基調となった。ビットコインは金曜日、日中高値の7万5500ドル付近から7万4300ドル近辺で取引された。
現在ビットコインは金と同様、安全資産としての動きを強めている 出典:BeInCrypto
金は1オンス4513ドル近辺で推移、週間で3.1%上昇した。財務省の国債買い戻し拡大案は通貨価値下落懸念を加速させている。JPモルガンが金価格5000ドルを視野に入れる要因となっている。
こうした環境下で、ビットコインはドル安ヘッジとしての役割にも注目が集まる。バンエックのストラテジストも、ビットコインの最近の強さを裏付けと見なしている。
ウォール街でも債券市場由来の重圧が強まった。米国株は木曜日に国債買い戻し期待がしぼんだことで大きく下落。ダウ平均は703ドル安、ウォルマートは米国売上の不振で9%下落した。
S&P500種は木曜日までの週で1.9%安、ナスダックは2.5%安となった。金曜日の先物は小幅な上昇を示唆している。
来週はエヌビディア決算が生成AI関連投資の次の試金石となる。今月のビットコインの価格上昇も、同様のリスク選好に支えられてきた。
ドル指数は今週0.9%下落し、3カ月ぶりの安値圏で推移。アジアの投資家にとって、ビットコインや金が引き続き有効なヘッジ資産となるか、それともエヌビディア主導のウォール街の変動が、他の資産市場にも波及するのかが焦点となる。

