大統領のスピーチを陰で支える“黒衣”が、その特等席を使ってひそかに大金を掴んでいた——。そんな驚きの疑惑を持たれていたホワイトハウス職員が、ついに連邦政府を去ったことがわかった。AP通信が報じた。
問題の人物は、ホワイトハウスでプロンプター(原稿映写装置)の操作を担当していたガブリエル・ペレス氏。ドナルド・トランプ大統領のスピーチ原稿を、誰よりも早く目にできる立場にあった。
そのペレス氏が、職務で知り得た《非公開情報》を悪用し、予測市場プラットフォーム「カルシ」でトランプ大統領のスピーチに絡んだ賭けに手を出していた——。そう報じたのは、先に本件を伝えたABCニュースだ。その荒稼ぎの額、なんと10万ドル(約1640万円)超。大統領が何を、いつ、どう語るかを“先に知っている”のだから、賭けはさながら答え合わせのようなものだったに違いない。
ホワイトハウス当局者は火曜、今月に入って無給の休職処分となっていたペレス氏について、「すでに連邦政府の職員ではない」と認めた。ただし、本人が自ら辞職したのか、それとも解雇されたのかについては口を閉ざしたままだ。
もっとも、この“うまい話”は長くは続かなかった。カルシの監視チームが不審な取引の動きをいち早く察知し、米商品先物取引委員会(CFTC)に通報したのである。カルシは、利用者が職務を通じて得た情報をもとに取引を行うことを明確に禁じている。

