ビットコイン「機関マネー」が異例の流出 保有量1割減で専門家「モデル崩壊」警告

概要:ビットコインを保有する機関投資家向け商品(信託・ETF・クローズドエンド型ファンドなど)の合算保有量が3カ月で約1割減り、133万BTCから120万BTCに落ち込んだ。企業財務戦略にも波及し、最大手のストラテジーは先週1,638BTCを売却した。株価がNAVを下回ると、増資や社債発行による買い増しが既存株主の価値を薄める希薄化要因になるという。コインベース・プレミアム指数も過去最長の93日連続マイナスで、米機関投資家の買い需要が細っているとみられる。シティは2027年までのBTC価格予想を53,000ドルに引き下げた。

ビットコイン(BTC)を保有する機関投資家向け商品――信託、上場投資信託(ETF)、クローズドエンド型ファンドなど――の保有量が、この3カ月で一斉に約1割減少していることが分かった。オンチェーン分析プラットフォーム「クリプトクアント(CryptoQuant)」のデータによると、合算保有量は133万BTCから120万BTCまで落ち込んだという。

Bitcoin fund holdings. Source: CryptoQuant

この動きと軌を一にするように、企業によるビットコイン財務戦略(コーポレート・トレジャリー)にも異変が起きている。上場企業として最大規模のビットコイン保有量を誇るソフトウェア企業「ストラテジー(Strategy)」は、先週1,638BTC(現在レートで約106.8百万ドル=約168億円相当)を売却した。

寄稿アナリストの「ノヴァーク・リサーチ(Novaque Research)」は、「かつてビットコイン財務企業は、自社株価がBTC保有価値を上回ることで増資や社債発行を行い、それでさらにビットコインを買い増す“自己増殖ループ”で需要を押し上げていた。しかし時価総額が純資産価値(NAV)を下回ると、この資金調達は逆に既存株主の価値を薄める“希薄化”要因になる」と指摘している。

ストラテジーについては評価方法によって数字が割れており、単純な発行株式数で見ると木曜時点でNAV倍率(mNAV)は0.7倍と「割安」に見える。だが、同社が抱える80億ドル(約1兆2,600億円)規模の負債や、優先株「STRC」の清算優先権を加味すると、mNAVは1.03倍まで跳ね上がる。クリプトクアントは「オンチェーンの証拠は機関需要の減退を裏付けているが、財務企業の動きだけを単独で切り分けることはできない」としている。

Strategy Updated mNAV. Source: Bitcoin Treasuries

「コインベース・プレミアム」も過去最長のマイナス圏

追い打ちをかけるのが、米大手取引所コインベースとバイナンスのBTC/USDT価格差を示す「コインベース・プレミアム指数」だ。5月以降マイナス圏が続き、その日数は過去最長の93日に達した。Web3マーケティング企業「フォー(FOUR)」は、この長期低迷の背景について「米国での売り圧力が強いというより、米機関投資家による買いそのものが細っている“需要不足”の色合いが強い」と分析する。

Coinbase Premium Index. Source: CryptoQuant

米シティグループ(Citi)も先月のロイター報道で、ETFの資金フローを「価格を左右する重要な要因」と位置付けた上で、2027年までのBTC価格予想を53,000ドル(約836万円)に引き下げている。

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