チェイナリシス、AI悪用の攻撃で侵入被害―暗号資産の追跡企業

概要:暗号資産の窃盗犯を追跡するChainalysisは、AIエージェントが攻撃者による顧客の名前、メールアドレス、職務情報の取得を支援したと発表した。

暗号資産の窃盗犯を追跡する米ブロックチェーン分析大手チェイナリシスが今月、自社システムへの不正侵入を受けた。攻撃にはAI(人工知能)エージェントが使われたという。

同社は顧客に対し、外部の攻撃者が「攻撃的なエージェント型AIの手法」を使ってシステムに侵入したと説明した。顧客には100を超える銀行や暗号資産取引所、政府機関が含まれる。自社スタッフの氏名が第三者に渡ったという。

ハッカーが持ち去ったもの

攻撃者は、ユーザーID、フルネーム、メールアドレス、職務ラベルを盗んだと、チェイナリシスが金曜日に発表した。

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チェイナリシスは、ケースファイルやパスワード、ログインコード、セッショントークンの流出は確認されていないとしている。盗まれたのは「機微情報にはあたらない」と説明した。

「当社チームは、未承認の活動の調査、脆弱性の修正、システム強化のため、24時間体制で対応している」と同社 発表。

エージェントAIとは、自ら計画を立てて段階的にタスクを実行するソフトウェアである。侵入の過程でAIがどの程度自律的に動作したかについて、チェイナリシスは明らかにしていない。

‼️ Chainalysis, the firm that tracks crypto hackers, was hacked itself.

It told customers in an email seen by ICD that an attacker using “offensive agentic techniques” accessed users' names, emails and role labels.

It says this has nothing to do with the $6.3B Binance heist. pic.twitter.com/X5TeZmhxoh

— International Cyber Digest (@IntCyberDigest) October 30, 2026

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また北朝鮮か

氏名と職務タイトルがあれば、攻撃者は標的を特定できる。

1人の標的がどれだけの損害につながるか、今週浮き彫りになった。バイナンスの初期調査では、過去最大規模となる63億ドルの盗難の発端が、1人のエンジニアのノートPCの侵害だったと判明した。

チェイナリシスは今回の侵害がバイナンスとは無関係だと説明する。しかし同社は盗難資金の追跡に関与している。ジョナサン・レビンCEOは北朝鮮に言及した。

「北朝鮮(DPRK)は再び同じ手口を使っている」とジョナサン・レビンCEO。

AIによる侵入、AIで対処

チェイナリシスは外部のセキュリティ専門家を招いている。さらに、チャットボットに使われる大規模言語モデルも活用し、システムの脆弱箇所を探しているとCybersecurity Newsが報じた。

暗号資産業界では過去にも類似の情報流出が起きている。2020年にはウォレット大手のLedgerが100万件超の顧客メール情報流出を公表し、フィッシング詐欺に警戒するよう利用者に呼びかけた。

AIで侵入した攻撃者に、AIで対処するチェイナリシス。顧客は今も、自身のどの情報が盗まれたか通知を待っている。

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