株が“暗号資産化”して市場爆発! トークン化株式が過去最高3735億円、バイナンスとクラーケンが火をつけた

概要:世界のトークン化株式の時価総額が23億ドルに達し過去最高を更新、イーサリアムがネットワーク別で首位、クラーケンのxストックスやバイナンスのbストックスが市場拡大を牽引し、発行体ではオンド・ファイナンスが最大手。24時間少額取引が可能な利点から米国外投資家に米国株へのアクセスを提供する動きが加速、ビットゲットはスペースXのプレIPO商品も投入。暗号資産市場が調整する一方、トークン化RWA市場は589%成長したが、株式の比率は約5.5%にとどまり、最大市場は依然トークン化米国債(約150億ドル)である。

世界のトークン化株式市場が、ついに過去最高を更新した。

トークン化株式の世界全体の時価総額は15日、23億ドル(約3735億円)に達した。株式をブロックチェーン上で取引できる新たな投資商品に、投資家の資金が流れ込んでいる。

データ分析会社トークン・ターミナルがXで公表したデータによると、ネットワーク別のシェアではイーサリアムが34%で首位。BNBチェーンが30%、ソラナが23%で続いた。

市場拡大の立役者となったのが、暗号資産取引所クラーケンの「xストックス」だ。そのトークン化株式の規模は5億700万ドル(約823億円)に達した。

バイナンスの「bストックス」も3億3400万ドル(約542億円)まで拡大。一方、発行体別ではオンド・ファイナンスが依然として最大手で、オンチェーン上の株式残高は9億5500万ドル(約1551億円)に上る。

Source: Token Terminal

株が「24時間、少額から買える」時代へ

暗号資産関連企業は、これまで証券会社が扱ってきた株式や上場投資信託(ETF)を、次々とブロックチェーン上に持ち込み始めている。

とりわけ注目されているのが、米国外の投資家にも米国株へのアクセスを提供できる点だ。

トークン化株式では、1株に満たない金額でも投資できる「小口保有」が可能になる。通常の証券取引所の営業時間に縛られず、24時間売買できることも大きな売りとなっている。

世界最大の暗号資産取引所バイナンスは6月1日、対象ユーザーに向けて、7000銘柄を超える米国のトークン化株式の売買手数料を無料にした。

バイナンスは、暗号資産だけを扱う取引所から、株式なども取り扱う「総合資産プラットフォーム」への転換を進めている。

コインベースも2025年12月、米国株とETFの手数料無料取引を開始した。取引時間は週5日、24時間となっている。

スペースXの「未公開株」まで暗号資産取引所で買える?

新たな商品は、すでに上場している株式だけではない。

暗号資産取引所ビットゲットは4月、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXの新規株式公開前、いわゆるプレIPO段階の株式に連動する商品を投入した。

ウィーンを拠点とする暗号資産取引所ビットパンダも1月、取扱商品を約1万銘柄の株式とETFに拡大する計画を明らかにしている。

この分野で先陣を切った大手の一つがクラーケンだ。

同社は2025年4月、xストックスを通じて、米国に上場する株式とETF約1万1000銘柄へのアクセスを提供した。サービス開始から約8カ月で、累計取引高は250億ドル(約4兆600億円)を突破したという。

暗号資産市場が低迷しても「RWA」は589%成長

暗号資産市場が調整局面を迎える一方で、現実世界の資産をブロックチェーン上で取引可能にする「トークン化RWA」の市場は急成長を続けている。

バイナンス・リサーチが6月に発表した報告書によると、トークン化RWA市場は2025年初頭から2026年6月までに589%拡大した。

成長を主導したのは、国債とマネー・マーケット・ファンドだ。

金などのトークン化された貴金属にも約15億ドル(約2436億円)の資金が集まり、同期間中に39%増加した。

The market for tokenized RWAs is becoming more diversified.

Source: Binance Research

ただし、トークン化株式は急成長しているとはいえ、RWA市場全体ではまだ脇役にすぎない。

トークン化RWA全体の時価総額は約340億ドル(約5兆5206億円)。このうち、株式が占める割合は約5.5%にとどまっている。

Tokenized RWA market overview, all-time chart. Source: RWA.xyz

最大の市場は、約150億ドル(約2兆4356億円)に達するトークン化米国債だ。RWA市場全体の44%を占める。

これに続くのがトークン化されたコモディティで、市場規模は45億ドル(約7307億円)、全体の13%となっている。

株式、国債、金、そして未公開企業の持ち分まで――。これまで証券会社の専売特許だった金融商品が、暗号資産取引所の画面に並ぶ日は、もはや遠い未来の話ではなくなっている。

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