イランがトランプ氏のホルムズ合意を否定、原油上昇もビットコインは静観

概要:イランは、トランプ米大統領が主張した「ホルムズ海峡再開の合意」を否定した。この否定を受け、WTI原油は約2.4%上昇し86.79ドル台へ急騰。一方、ビットコインは0.08%上昇の約6万3063ドルとほぼ無反応で、過去最高値から約50%低い水準にある。イラン国防相代行はトランプ氏の発言を「心理戦」と批判した。原油高はインフレを押し上げ、FRBの利下げを困難にするため、暗号資産にとって重要な指標となる。次回の米インフレ統計は8月12日に発表予定だ。

イランは、トランプ米大統領が主張した「ホルムズ海峡の再開に関する合意がある」との発言を否定した。世界最大の石油輸送路であるホルムズ海峡の再開観測を否定したことで、原油価格は急騰した。

ビットコイン(BTC)はほとんど動かなかった。この乖離は、暗号資産トレーダーたちがいま何を無視しているかを物語っている。

WTI原油とビットコイン価格の推移 出典:TradingView

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トランプ氏「ホルムズ合意は存在」 イランは否定

トランプ氏は日曜日早朝、Truth Socialに投稿した。同氏は、予定されていたイランへの攻撃を中止したと述べた。

同氏によれば、イランとその近隣諸国が攻撃を控えるよう要請した。理由は「合意の大枠がまとまった」ためと説明した。

この合意により、直ちにホルムズ海峡が再開される見通しだという。さらに、イランの核の脅威も終結する内容となる。

イラン側は数時間以内に反応した。イラン国営ファールス通信は、核協議に近い関係者の発言を引用した。

「ホルムズ海峡の再開に関して合意は存在せず、その報道は誤りだ」ファールス通信(CGTN経由)。

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イランのマジッド・イブン・アル=レザ国防代行大臣は、トランプ氏の発言を「心理戦」だとした。ファールス・インターナショナルはトランプ氏の条件を「願望リスト」と形容。

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こうした展開は目新しいものではない。7月下旬に攻撃停止の動きもあったが、進展はなかった。

ただし、協議自体は行われてきた。カタールの仲介者が土曜日にイランのアッバス・アラーグチ外相と米国特使のスティーブ・ウィトコフ両氏と面会した。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はトランプ氏に事態の沈静化を要請した。

原油急騰、ビットコインは無反応の理由

まず地図を見てほしい。ホルムズ海峡はイランとオマーン間の細い海路だ。

2024年には、毎日約2000万バレルの原油が通過した。これは世界の石油消費量の約5分の1に相当する(EIA調べ)。

ホルムズ海峡の石油輸送量 出典:EIA

ここに問題がある。同海域を迂回できるのは、サウジアラビアおよびUAE国内のパイプライン経由が日量約260万バレルに限られる。

残りの供給ルートは存在しない。だからこそ、ひとつの否定がこれだけ大きく市場を動かす。

米国指標のWTI原油は、金曜日の終値が84.67ドルだった。その後、約2.4%上昇し、86.79ドル前後で取引された。

原油価格の推移 出典:TradingView

この否定発表は、公式見通しにも疑念を生じさせている。EIAは7月7日、今四半期のブレント原油価格予想を1バレルあたり27ドル引き下げ、74ドルとした。6月にまとまった米国・イラン合意や海峡通過増加を根拠とした。

しかし、6月合意もその後崩壊した。ホルムズ海峡再開の見込み時期を追うアナリストは、2027年まで制限が続くとみる。

一方、ビットコインはほぼ無反応だった。過去24時間で0.08%上昇し、6万3063ドル付近。

ビットコイン価格推移 出典: BeInCrypto

ビットコインは、2025年10月6日に記録した過去最高値12万6080ドルから、約50%低い水準で取引されている。市場が反応薄なビットコイン価格の動きは、目新しさのないニュースを市場参加者が無視していることを示す。

今後の展開

石油価格は暗号資産にとって1つの理由で重要である。インフレを押し上げる要因になるためだ。

6月にその関係が明確になった。米国エネルギー価格はその月に5.7%下落し、2020年4月以来最大の下げ幅となった。

米労働省労働統計局(BLS)は発表で、エネルギーが中心的な役割を果たしたと説明した。見出しの物価指数は1カ月で0.4%下落。年間インフレ率は4.2%から3.5%に鈍化した。

ただし、年単位では依然としてエネルギー価格は高い。ガソリンは26.7%上昇している。

従って、原油価格が再び上昇すれば、こうした鈍化の流れは逆転する。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げは困難になる。ビットコインをはじめとする資産は利下げを望む展開である。

次回の確認は8月12日。BLSが7月分のインフレ統計を発表する。

ホルムズ海峡を自由に航行できるまで、原油価格は「戦争リスク」を含み続ける。ビットコインは様子見姿勢を維持する。

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