大手会計事務所デロイト　仮想通貨分析のチェイナリシスと提携 ｜ 法執行機関や規制当局への支援などを強化

　　Felix Ng

　　2023年07月26日 15:25

　　大手会計事務所デロイト 仮想通貨分析のチェイナリシスと提携 ｜ 法執行機関や規制当局への支援などを強化

　　大手会計事務所のデロイトは、暗号資産分析会社チェイナリシスとの戦略的提携により、クライアントのブロックチェーン追跡能力を強化する。

　　この提携は7月25日にワシントンDCで開催されたチェイナリシスのカンファレンスで発表された。チェイナリシスのブロックチェーンデータセット、分析ソフトウェア、トレーニングプログラムがデロイトのクライアントの仮想通貨フォレンジック・調査・コンプライアンスのニーズを支援する。チェイナリシスの広報担当者は、この提携は数年間検討されてきたもので、より多くの組織がブロックチェーン技術を採用することを目指しているとコインテレグラフに語った。

　　チェイナリシスの社長兼最高収益責任者であるトーマス・スタンレー氏は、この協力が法執行機関、規制当局、金融機関を含む共通のクライアントを対象としていると語った。「我々は、彼らがこの技術の採用においてどこにいるか、そして我々の顧客基盤のユニークな重複部分を考慮して、規制当局、法執行機関、金融機関に焦点を当ててスタートする」と広報担当者は付け加えた。「我々はこれをまず米国で展開するが、他の市場でも容易に採用できるものだ。他のグローバル市場が追随すると我々は信じている」。

　　デロイトは提携について概説した文書の中で、政府機関が直面する課題の一部は、仮想通貨が資金の流れを隠蔽し、犯罪の収益を洗浄するために使用される場合や、国際的な規制環境が外国の取引所から情報を取得することを困難にケースなどであると述べている。

　　デロイトは、チェイナリシスとのパートナーシップが「キーボードの背後にいるアクターを特定し、効果的に訴追する」のに役立つ可能性があると語った。これには経済制裁対象のエンティティへの資金の流れを追跡することも含まれる。

　　「チェイナリシスは、デロイトのブロックチェーンとデジタル資産プラクティスと共に、仮想通貨とデジタル資産のリスク、分析、調査、反マネーロンダリング/顧客確認（AML/KYC）、規制コンプライアンスに関連する分野で連携する」とチェイナリシスは述べた。

　　世界四大会計事務所の1つとして知られるデロイトは、最近、仮想通貨関連の役職について300以上の求人を掲載し、そのうち97件は米国でのものだった。2月末には、デロイトはWeb3プラットフォームのVatomと提携を発表し、仮想現実を用いたイベント、会議、従業員研修から、メタバース体験でコミュニティエンゲージメントを強化するブランドまで、さまざまな業界に没入型の体験を提供すると発表した。