ブロックチェーンを使った分散型ID　SNSなりすまし被害の解決策に＝ドバイでのプロジェクト

　　SNSにおけるデジタル詐欺は巨大な問題だ。毎日、詐欺師たちは人気コンテンツクリエイターを模倣した新しいアカウントを作成し、疑わずに詐欺師にお金を送ってしまう被害者が相次いでいる。この問題を解決するため、一部の人々はブロックチェーンを利用し、分散型のソーシャルアイデンティティ（ID）認証システムを作成・実装しようとしている。

　　最近開催されたワールドトークンサミット2023で、コインテレグラフはドバイ・ブロックチェーンセンターの共同創設者であるマティアス・メンデ氏に話を聞いた。メンデ氏は、センターがユーザーの分散型ソーシャルIDを作成するためにブロックチェーン技術を実装するプロジェクトについて語った。

　　メンデ氏は、なりすまし詐欺がこの分野で常に問題であると語った。彼は自身のSNSに投稿したコンテンツが詐欺師によって盗まれ、偽のアカウントが作成されることを何度も経験していると明かす。「私はインスタグラムで20万人のフォロワーがいるが、本当に毎日のように新しい偽者が現れる。人々から『メンデ、これはあなたですか？』と尋ねられることがある。詐欺師は次のレベルに行っている」と彼は語った。

　　メンデ氏は、残念ながら他人を傷つけたいと思う人がたくさんいる現実があると語り、「それを防ぐためのツールが必要だ」と言う。これらの問題を受け、メンデ氏はSNSアカウントの正当性を検証するためにブロックチェーンを使用したプロジェクトを立ち上げた。アラブ首長国連邦（UAE）では、政府が「UAEパス」というアプリケーションを導入し、国民IDカードであるエミレーツIDとリンクさせている。これにより、スマートフォンを使ってサービス提供者に対して自分の身元を証明できる。

　　このコンセプトに触発され、メンデ氏はドバイ・ブロックチェーンセンターが「Bonuz」というプロジェクトを立ち上げたことを明かした。同プロジェクトは、ブロックチェーンを利用して、人々のSNSにブロックチェーンベースの認証を提供するプラットフォームを開発している。

　　メンデ氏は、ブロックチェーンがデジタルID詐欺の問題を解決する能力があると信じていると語った。彼はまた、分散型ソーシャルアイデンティティがあれば、ブロックチェーンにアイデンティティの証明があり、人々は相手が主張する人物であることを100％確信できるはずだと言う。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン