バイナンスCEO　BNBの価格維持のためにビットコインを売却しているという噂を否定

　　バイナンスのジャオ・チャンポンCEO（通称CZ）は、バイナンスがビットコイン（BTC）を秘密裏に売却し、独自トークンであるバイナンスコイン（BNB）の価格を不自然に安定させているとの疑惑を否定した。

　　この噂はSwan Bitcoinのコーリー・クリップステンCEOなど、複数の市場関係者から出てきたものだ。彼らは、バイナンスが意図的に市場を操作し、BNBの価値を不自然に高めていると非難している。

　　バイナンスのCZは6月13日のツイートで、バイナンスはBTCやBNBを売却しておらず、破綻した仮想通貨取引所FTXのネイティブトークンであるFTXトークン（FTT）も依然として「一部」保有していると述べた。「何百万人ものトレーダーが関与する価格チャートだけで、誰が売却したのか正確に知ることができるのは驚くべきことだ。FUD（恐怖、不確実性、疑念）だ」と彼は付け加えた。

　　CZの投稿は、6月14日に技術分析プラットフォームのSkewが、バイナンスがBTC、BNB、およびテザー（USDT）を含む一連の取引を通じて市場を操作していると非難した投稿への直接的な返答だった。「バイナンスは、BNBとBTCの暴落を防ぐために、何らかの手段を講じていることは間違いない」とSkewは指摘した。

　　6月13日のツイートで、Swan Bitcoinのコーリー・クリップステンCEOも、バイナンスが「ウォッシュトレード」に関与しており、BNBに対するサポートがあるようにみせていると主張した。

　　ウォッシュトレードとは、市場操作の手法の1つで、トレーダーが資産を売却し、その直後に購入することで、需要を増やすか、市場での取引活動が多いように見せかけるものだ。

　　The Bitcoin Layerのアナリスト、ジョー・コンソルティ氏も、BNBの値動きが「220ドルの水準」が強固に防衛されており、これは「異例だ」と指摘している。彼は、これがBNB担保付きローンの清算レベルかもしれないとも示唆した。

　　CZの投稿に対して、コンソルティ氏は、バイナンスがBNB担保付き債務を抱えていないことを証明する監査済みの声明を公表すべきだと主張し、「FUD」が終わるためにはそうすべきだと述べた。

　　米証券取引委員会（SEC）は6月5日、バイナンスUSを証券法違反のほか、CZが所有する「非公開の『マーケットメイキング』取引会社シグマチェーン」を通じたウォッシュトレードに関与しているとして訴訟を起こした。CZとバイナンスUSは、不正行為を否定し、ワシントンD.C.の米連邦地方裁判所で提起された訴訟に対して「精力的に」反論する意向だ。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン