仮想通貨業界　復活の時期を迎えている＝ビットメックスCEOインタビュー

　　

　　ビットメックス（BitMEX）のステファン・ルッツCEOは、2022年のFTX崩壊と銀行破綻の長期的な影響を及ぼしたにもかかわらう、仮想通貨業界が復活の時期を迎えていると考えている。

　　取引所とデリバティブプラットフォームを手掛けるビットメックスのCEOはコインテレグラフとのインタビューで、2023年に入って5ヶ月が経った現在、ユーザー数と取引活動が増加しているとして、業界全体に対する前向きな見通しを示した。

　　長期的な市場の苦境からの回復は、ビットメックスにとって重要だ。共同創設者のアーサー・ヘイズ氏とベンジャミン・デロ氏の裁判が続いている中、このプラットフォームは引き続き運営を続けている。

　　2022年末に代行CEOとして就任し、最高財務責任者の職務も遂行してきたルッツ氏によれば、業界は大きな変化の時期を迎えており、その影響は前例のないものだという：

　　「昨年、業界が一段と成熟した。準備金の証明（プルーフ・オブ・リザーブ）、明確な資産管理、堅固なセキュリティの必要性に注目が集まるようになった」

　　ビットメックスはユーザーとの透明性を確保するために独自の努力を重ねてきている。ルッツ氏によると、同社は2021年8月から週に2回、準備金と負債の証明データを公表し始めた。これにより、ユーザーは口座残高がプラットフォームの負債合計に含まれていることを確認することができた。

　　FTXの崩壊は、その仮想通貨取引所のネイティブトークンであるFTXトークンと密接に関連していた。そのため、取引所トークンにもスポットライトがあたるようになった。ビットメックスはFTXの混乱の最中に自身のネイティブトークン（BMEX）をプラットフォームに導入したが、ルッツ氏は取引所トークンが業界で重要な役割を果たしていると考えている：

　　「引き続き安定した取引が行われており、ユーティリティトークンとして、トレーダーに取引所での手数料割引から報酬まで様々な利点を提供している」

　　ルッツ氏によると、ビットメックスは利益を上げ続けており、2023年にもユーザー数が増加しているという。また、過去2年間にわたるマネーロンダリング対策の違反についてヘイズ氏とデロ氏が有罪を認めたにもかかわらず、会社の運営に影響はないと述べている。

　　現在の市場の動向も議論の対象となった。この数週間におけるミームトークンの台頭はビットメックスのエコシステムにも影響を与えている。ビットメックスは、PEPEやAIDOGEなどのトークンの取引量が増加している：

　　「先週、当社のトップトレーダーは60万ドル以上の利益を上げ、その大部分は新たに上場した1TAIDOGEUSDの永久パーペチュアルスワップから得られたものだ」

　　デリバティブ取引所は、市場の価格変動を活用する機会をトレーダーに提供することにある。ルッツ氏が指摘したように、経験豊富なトレーダーはこれらのプラットフォームで大きな利益を得る可能性がある。最近のミームトークンのパーペチュアルスワップの新規上場では、ユーザーに対して最大50倍のレバレッジが提供されているが、一方でそれは高いリスクを伴う。

　　ビットメックスは業界で活動的なデリバティブプラットフォームであり、2022年半ばには仮想通貨スポット取引所を立ち上げた。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン