メーカーDAO、オープンソースAIプロジェクトへの資金提供を含む5段階のロードマップを発表

　　

　　ステーブルコインのダイ（DAI）と仮想通貨メーカー（MKR）の背後にある分散型自律組織（DAO）であるメーカーDAOは、人工知能（AI）技術と新たなブロックチェーンの開発に重点を置いたエコシステムのアップデートを発表した。「エンドゲーム」と呼ばれる5つのフェーズからなるプロジェクトが、その中心である。

　　MメーカーDAOの共同創設者であるルネ・クリステンセン氏による公式フォーラムへの投稿によれば、エンドゲームの第1フェーズは、DAIとMKRのブランドを統一するための「完全なリブランド」を行うという。クリステンセン氏は「DAIとMKRは変更されない」と強調し、現行の形で両トークンを維持する意向だ。

　　ただし、新たな機能を持つ2つの新トークン、「NewStable」と「NewGovToken」が追加される予定である。クリステンセン氏は、投稿へのコメントへの返信で、DAIはこれまで通りの安定した仮想通貨として残り、その流動性はNewStableとの1対1の無制限の交換によって維持されるだろうと語った。

　　今後のエンドゲームの「主要な製品ローンチ」には、6つの「Maker SubDAO」とそれに伴うNewStableトークンファームの立ち上げが含まれる。SubDAOは、ファシリテーターとアロケーターのDAOに分割され、クリステンセン氏によれば、その目的はMakerガバナンスが管理する「作業負荷と複雑さ」を効率化することだ。

　　ロードマップの第3フェーズはAIに関するもので、メイカーDAOは監視やデータ隔離などのガバナンスタスクを最適化するための内部AIツールをいくつか立ち上げる予定だ。AIツールの立ち上げと並行して、メイカーDAOは「The Purpose Fund」というプロジェクトでオープンソースのAI開発分野に参入する予定だ。クリステンセン氏は、この取り組みが「自由でオープンソースのAIモデルや、社会的に影響力のある産業やプロジェクトがAIの効率向上を活用し、より自己持続的な影響を達成するための無料AIツールを促進・支援する」と語った。

　　エンドゲームの第4フェーズは、エコシステムの参加者向けのインセンティブプログラムである「ガバナンス参加インセンティブ」の開発である。このプログラムでは、メイカーDAOプラットフォームでのインタラクションを促進するために、ゲーミフィケーションや報酬が導入される。

　　最後に「NewChain」と呼ばれている独自のブロックチェーンを作成する予定だ。NewChainは、現在のメイカーDAOプラットフォームを支えるイーサリアムブロックチェーンとは別のものであり、クリステンセン氏によれば「イーサリアム上で、NewStableとNewGovToken、およびDAIとMKRは通常どおり機能し、唯一の変更は、最新の安全なブリッジを介して運用されるガバナンスバックエンドによって保護される」とのことだ。

　　新たなブロックチェーンの導入の主要な特徴は、権力攻撃や多数派による悪用に対処するためのガバナンスメカニズムとしてハードフォークを利用できることだ。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン