“完全に使い物にならない”仮想通貨ぺぺ（PEPE）の役割とは【オピニオン】

　　

　　仮想通貨の世界はサプライズだらけだ。ある時はAIトークンが登場し、またある時はフィットネスコイン、猿のコレクティブ、ドージコイン関係の仮想通貨が現れる。一見何に価値があるのか分からないコインが急に流行り出す。最近はカエルをテーマにしたコインが流行っている。

　　名前は「ぺぺ（PEPE）」。執筆時点で0.000001568ドルの価格がついている。あなたは買う気になるだろうか。

　　多くの投資家がぺぺに魅了されている。背景にあるのは投機的な動機のようだ。過去24時間で64%上昇し、過去1週間では650％上昇。時価総額は7億ドルほどあり、ミームコインの中でドージコイン（DOGE）、シバイヌ（SHIB）に次ぐ第3番目の地位を確立した。最近の取引量では2つを上回っている。ただ、コインテレグラフによると、ぺぺ保有額でトップ100

　　のアドレスのうち、45%がクジラと呼ばれる大口投資家が保有している。

　　ぺぺはなぜこんなに価値が急激に上がったのだろうか？公式Twitterアカウントは「最もミームにしやすいミームコインであり、犬の時代は終わった」と述べている。またぺぺのウェブサイトには以下のように書いてある。

　　「ぺぺとは本質的な価値も金銭的なリターンも見込めないミームコインだ。正式なチームもロードマップも存在せず、完全に使い物にならないコインでエンタメ目的のみで存在している」

　　完全に無計画な印象だが、実際にはパートナーシップや取引所上場、ぺぺ・アカデミーの創設などざっくりとしたロードマップはあるようだ。

　　ぺぺの成長の背景にあるのは、「次の大物」を当てたいという投資家の欲と「アルトコインの季節」という相場環境があるだろう。ぺぺの意義は、仮想通貨が巨大カジノと同類でありギャンブルにより３桁のリターンを得るという実態を示したという見方もある。

　　しかし、この考えは半分正解にすぎないだろう。

　　多くのトークンが全く価値をもたらさずに消える一方、一握りのトークンは人々を惹きつけたからという単純な理由で生き残る。結局、人々の感情に訴えないコインには限界があるのだ。人々を一つにつなげるアイデンティティが大事だろう。ぺぺやドージ、他のミームコインが十年後も存在するとすれば、コインの「価値」とは何かを定義する一大事業に対して大きな役割を果たしたと言えるだろう。

　　著者 Ledger

　　プロフィール：2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。公式サイト:https://www.ledger.com/ja