分散型ファイルストレージの価格、サービスにより大幅な差＝レポート

　　Zhiyuan Sun

　　2023年04月28日 07:23

　　分散型ファイルストレージの価格、サービスにより大幅な差＝レポート

　　シンガポールのベンチャーキャピタル、フォーサイト・ベンチャーズによると、Filecoin、Arweave、Swarm、StorJ、Siaといったブロックチェーン上の分散型ファイルストレージのコストは、ほぼゼロか月額1テラバイト（TB）あたり4ドル程度という。これは、Amazon CloudやMicrosoft Azureなどの従来のウェブ2サービスの月額16ドルから23ドルの価格帯よりもはるかに低いことがわかった。

　　しかし、報告書では分散型ストレージに関連する他のコストも指摘。データアップロード手数料やデータ取得手数料などが含まれる。後者は1TBあたり7ドルにもなることがある。報告書に記載されたサービスプロバイダの中には、ストレージ手数料のみで他の手数料がかからないFilecoinなどもあるが、他のプロバイダは上記の3種類の手数料がすべてかかる場合もある。

　　また、フォーサイトのアナリストは、ブロックチェーンストレージは「ファイルの喪失」、「データ取得が難しい」、「高い帯域幅要件」といった課題に直面していると述べている。あるブロックチェーンを例に研究者らは、「価格は帯域幅を考慮していない。一部のノードはストレージサービスのみ提供し、検索を拒否する」とコメントしている。

　　価格論争にもかかわらず、報告書で引用されたブロックチェーン分析企業メサーリのデータによると、2022年末の4つの最大ファイルストレージブロックチェーンの総容量は前年比2%増の1700万TBに達した。Filecoinが最大の市場シェア67%を持ち、次いでArweave（19%）、Sia（8%）、Storj（6%）。ネットワーク利用率は相対的に低いままだが、主要プレイヤー間の指標は2021年の0.2%から3.1%へと急上昇した。

　　4月27日、Filecoinはnv19 Lighteningとnv20 Thunderネットワークアップグレードを展開し、ブロック検証時間の改善を図った。4月時点で、同ネットワークのストレージ容量は2270万TBで、ストレージプロバイダシステムは3623件に上る。