日本語
Download

2024年にも導入予定 ロシアのデジタル通貨はどうなるのか? 年金支払や国際貿易での活用も検討

 2024年にも導入予定 ロシアのデジタル通貨はどうなるのか? 年金支払や国際貿易での活用も検討 WikiBit 2023-04-22 21:30

デジタルルーブルが成功するかどうかは、その導入や利用に対する市民の受け入れ度や、政府が提供するインセンティブがどの程度効果的であるかによって決まるだろう。また、国際的な取引においてデジタルルーブルがどのような役割を果たすかも、その普及に重要な影響を与える。

  David Attlee

  2023年04月23日 06:30

  2024年にも導入予定 ロシアのデジタル通貨はどうなるのか? 年金支払や国際貿易での活用も検討

  ロシアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験プロジェクトは、4月1日に開始されるはずであったが、関連法案が議会を通過するペースが遅いために延期された。

  しかしながら、試験の開始は5月にも可能であり、デジタルルーブルの展開は2024年に予定されている。ロシアのCBDCプロジェクトは、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)間のクロスボーダー決済での活用のほか、国営年金制度にも組み込む意向であることから、最も注目すべきCBDC開発の1つである。

  ロシアのCBDCのタイムライン

  ロシアの中央銀行(ロシア銀行)が、デジタル通貨発行の計画を初めて発表したのは2017年だ。当時、同行のオリガ・スコロボガトワ第一副総裁は、CBDCは優先事項の1つであり、近い将来それを検討すると述べていた。

  しかし、当時スコロボガトワ氏の上司であるロシア銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁は、「最優先事項」と認めず、「中期、あるいは長期の」見通しであるとトーンを抑えた発言をしていた。

  2022年、ロシア銀行は、2024年までにデジタルルーブルをすべての銀行に展開する計画を明らかにした。同行は、実施は段階的に行われ、広範なテストとインフラ開発が伴うだろうと述べた。また、デジタルルーブルは現金と非現金決済システムと共存し、消費者に柔軟性を提供するとされている。

  CBDCの開発を加速させる最も重要な理由は、ロシアがウクライナに侵攻し、その後、世界中のいくつかの国が制裁を実施したことを受けて、対外貿易や決済の信頼性のあるツールが必要だったことである。

  2023年初頭には、地元メディアがロシア銀行がデジタルルーブルを使用したクロスボーダー決済モデルを検討していると報じていた。

  2023年2月、スコロボガトワ氏は、CBDCの最初の消費者向け試験が2023年4月1日に行われることを公表した。この実験では、13の銀行、いくつかの事業者、そして実際の消費者が参加する予定だった(参加者は参加企業の従業員に限定されていたが)。

  その後、ロシアのメディアは、試験がロシア議会の下院(国家院)で関連法案が可決されるまで遅れると報じた。この法律は、5月初め以降に施行されるとされている。

  ロシア法律事務所KKMPの上級アソシエイトであるエレナ・クリュチャレワ氏は、デジタルルーブルの開始を可能にする上で主に2つの法律があるとコインテレグラフに解説する。まず、民法に関する修正案で、デジタルルーブルの法的性質を「非現金通貨の形態とデジタル口座の使用から生じる契約関係」として定めている。

  2つ目は、いくつかの法律に対する修正案で、主に「国家決済システム法」が対象となっている。これらの修正は、デジタルルーブルプラットフォームの機能とその参加者の責任を規定するものだ。

  2023年3月16日に、両方の法案は国家院の第一読会で可決された。コメント期間は2023年4月14日に終了した。「その議論の続きを近いうちに、おそらく5月には始まるだろう」とクリュチャレワ氏は付け加えた。

  デジタル化と年金受給者の不安

  ナビウリナ総裁自身が、デジタルルーブルを年金支払いに使用することを最初に提案したのは2021年だったが、具体的な方法の詳細は明らかにされていなかった。

  2023年3月末に、ロシアメディアのイズベスチヤが再びCBDC試験と年金受給について報じたことで、年金制度の議論が再燃した。数週間後、ナビウリナ総裁は、デジタルルーブルが年金支払いの主要手段となるのではなく、追加的なオプションになることを明確にした。

  国家が責任を負う年金制度は、政治・経済において最もデリケートな分野だ。高齢者は技術に精通しているとは言い難く、「デジタル」という言葉が不安を引き起こすこともある。

  しかし、Bitcoin.comの元ビジネスデベロッパーで現在ロシア在住のクリス・エムズ氏は「平均的なロシアの年金受給者は、今までとまったく同じ方法でお金を使うことができ、お金がデジタルであることにさえ気付かないだろう」と述べている。

  情報セキュリティ責任者協会のサンクトペテルブルク支部長、アレクサンドル・ポドブニク氏も、緊張関係については認識していない。

  彼は、年金受給者を含めた多くの市民が、最終的にデジタルルーブルと関わることになるであろうが、政府はおそらく何らかのインセンティブ政策を使って人々がデジタル通貨に切り替えるのを助けるだろうとコインテレグラフに語っている。実際、デジタル化はかなりの前から優先事項になっている。

  「現在、デジタル技術や電子サービスの分野で市民の文化を向上させるための多くのイニシアチブやイベントがある。この分野の投資とセキュリティ問題に関する情報にも特別な注意が払われている」と、ポドブニク氏は語っている。

  デジタルルーブルは普及するのか?

  デジタルルーブルは、国内の仮想通貨の利用に大きな影響を与えるでだろうか? 世界中でCBDCが開発されており、仮想通貨コミュニティ全体では、これがデジタルマネーの台頭に対する政府の回答として捉えられている。

  ロシアの中央銀行は、仮想通貨の合法化に対して非常に敵対的だ(仮想通貨容認の財務省とも政府内で対立していた)。前出のポドブニク氏は、中央銀行の新しいデジタル通貨の計画が出てきても、その立場は変わらいだろうとみている。

  「間違いなく、中央銀行がルーブルの独占使用に重点を置いているため、その立場は依然として強力なものだろう。そして、CSTO(集団安全保障条約機構)やBRICS諸国での決済にそれを使用する計画も忘れてはならない」

  元Bitcoi.comのエムズ氏は、CBDCの導入を、反仮想通貨の中央銀行と、「一般的に仮想通貨規制に前向きな立場を取る」ロシア政治家たちとの間の妥協の産物と見ている。中央銀行がロシア人が「高リスクのアルトコインを購入する代わりに、CBDCにお金を入れることを選ぶ」と期待しているとエムズ氏は考えている。

  ロシアの弁護士のクリュチャレワ氏は、ロシア中央銀行はデジタルルーブルがロシア国内で仮想通貨を置き換え、決済や投資の安全な手段として普及することを期待していると指摘する。「この期待が実現するかどうかは、これからの展開次第だ」と彼女は言う。

  4月17日のロシア議会議員との議論の中で、中央銀行のナビウリナ総裁は、外国貿易で仮想通貨を使う可能性を否定しなかった。不思議なことに、彼女はその仮想通貨が民間のものであるか中央銀行が発行したものであるかを明確にしなかったが、「マイニングを担当する特別な団体」の設立にも言及した。

  これにより、中央銀行のデジタルルーブルと仮想通貨に対する立場がより不透明になっている。何らかの通貨を「実験的」にマイニングする計画と、CBDCをクロスボーダー決済のためのテストに使用することは、互いに矛盾しているように見える。しかし、ナビウリナ総裁の言葉で確かなことは、次の言葉に出ている。

免責事項:

このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。

  • トークン交換
  • 交換レート
  • 外貨両替計算
/
現在のレート
両替できる金額

0.00