米SEC、トロン創設者に召喚状送付　関与した一部セレブは和解へ

　　Turner Wright

　　2023年04月14日 07:38

　　米SEC、トロン創設者に召喚状送付 関与した一部セレブは和解へ

　　米国ニューヨーク南部地区連邦裁判所は、トロンの創設者ジャスティン・サン氏に対する米証券取引委員会（SEC）の民事訴訟に関連して、サン氏のシンガポールの住所に召喚状を送付した。4月12日の提出書類によると、サン氏はSECの弁護士アダム・ゴットリーブ氏に連絡し、21日以内に召喚状に応じるよう命じられている。サン氏が応じない場合、SECによる法的処置が取られることが示唆されている。

　　サン氏のツイッターのプロフィールでは、居住地はスイスとされているが、ソーシャルメディアの活動からは最近は香港にいたことが伺える。トロン共同創設者は中国生まれでグレナダ国籍を持つ。トロン財団は2017年にシンガポールで設立された。

　　SECは3月、トロン財団、ビットトレント財団、レインベリーを相手取り、証券としてトロンを未登録で取引し、宣伝する行為に関与したとしてサン氏を提訴した。SECは、ソウルジャ・ボーイ、リンジー・ローハン、ジェイク・ポール、エイコンなどの著名人を含むグループが、TRXとビットトレント（BTT）への一般投資家の関心を高めるために、不正な取引を行っていたと主張している。

　　SECの発表時点で、関与が疑われている著名人のうち、オースティン・マホーンとソウルジャ・ボーイを除くすべての著名人が規制当局と和解。SECは、この訴訟で勝訴すれば、サン氏を永久に仮想通貨証券を提供する企業の役員や取締役から追放する計画だと述べている。

　　サン氏は、2022年の市場崩壊や多くの倒産を受けて米国当局の標的となっている仮想通貨業界の人物のうちの一人に過ぎない。1月には、破産裁判所がスリー・アロー・キャピタル共同創設者のカイル・デイビス氏に対して召喚状を発行した。サン氏の召喚状が物理的な住所に送られたのに対し、デイビス氏の場合はツイッター経由で召喚状が送られたが、現時点で彼は応じていないという。