イタリアのChatGPT禁止、副首相がプライバシー専門家が懸念を表明

　　Amaka Nwaokocha

　　2023年04月04日 12:43

　　イタリアのChatGPT禁止、副首相がプライバシー専門家が懸念を表明

　　イタリアでの対話型AI「ChatGPT」の禁止が、技術業界および国内で大きな議論を巻き起こしている。イタリアの副首相も、この禁止を過剰だと批判した。

　　3月31日金曜日、国のデータ保護監督機関がプライバシー違反や利用者の年齢確認ができていないという懸念からChatGPTのデータ処理を停止するよう要請した。これを受け、ChatGPTを手掛けるOpenAIはイタリアでChatGPTをオフラインにした。このイタリアの行動は、AIチャットボットに対して西側諸国が措置を講じた最初の事例となった。

　　イタリアの副首相マッテオ・サルビーニ氏はInstagramで自分の考えを表明し、「プライバシー監督機関がChatGPTにイタリアからのアクセスを禁止するよう命じた決定は、過剰だと思う」と書いている。

　　サルビーニ氏は、規制当局の行動は独善的だとし、Bingのチャットなどのように、人工知能に基づくサービスがたくさんあると指摘した。彼は、「プライバシー問題は事実上すべてのオンラインサービスに関係している」と述べ、常識的な判断が必要だとした。

　　サルビーニ氏は、ChatGPTの禁止が国内のビジネスやイノベーションに悪影響を与える可能性があると述べ、迅速な解決策が見つかり、チャットボットがイタリアに復帰することを望んでいると付け加えた。

　　「あらゆる技術革命は大きな変化、リスク、そして機会をもたらす。規制当局や立法者との国際協力を通じてコントロールし、規制することは正しいが、それをブロックすることはできない」とも述べている。

　　また、禁止に対する反対意見が、国際法律事務所ドーシー&ホイットニーのパートナーであり、データプライバシー専門家であるロン・モスコナ氏からも聞かれた。彼は、イタリアの規制当局による禁止は、データ漏洩事件のためにサービスを完全に禁止する珍しいケースであり、驚きの対応だと指摘している。

　　当局の要請を受けて、OpenAIはイタリアのユーザーに対してChatGPTをブロックした。ただし、同社は欧州のプライバシー規制に準拠しており、イタリアのプライバシー監督機関と協力する意向を示した。OpenAIは、AIシステムを訓練する際に個人データを最小限に抑える措置を講じていると主張し、その目標は特定の個人に関する情報を取得するのではなく、AIが世界についての知識を習得することだとしている。

　　ChatGPTは、世界中の他の地域でも検討の対象となっている。AIデジタル政策センター（CAIDP）は3月31日、一般公開されている強力なAIシステムの展開を防ぐことを目的として、ChatGPTのリリースを中止するよう、米連邦取引委員会（FTC）に申し立てた。CAIDPは、チャットボットを「偏った」、「欺瞞的」なプラットフォームとして表現し、公共の安全と機密性を危険にさらすと主張している。