SEC、未登録証券販売でトロン創業者を提訴

　　Turner Wright

　　2023年03月23日 07:05

　　SEC、未登録証券販売でトロン創業者を提訴

　　米国証券取引委員会（SEC）は、トロン（TRX）創業者のジャスティン・サン氏に対し、「未登録の仮想通貨証券の募集・販売、操作的取引、違法な客引きの指揮をとった」として陪審裁判を要求している。

　　3月22日にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提出された書類で、SECはトロンとビットトレント（BTT）の宣伝や販売に関してサン氏やトロン財団、ビットトレント財団、レインベリーを批判し、販売したトークンが証券に該当すると主張した。さらにSECは、サン氏が「操作的なウォッシュトレード」を行い、著名人の協力を得て2つのトークンに対する世間の関心を高めたと主張した。

　　TRXとBTTを宣伝した著名人には、ソウルジャ・ボーイとして知られる米国のラッパーディアンドレ・ラモーン・ウェイ氏、歌手のオースティン・マホーン氏、俳優のリンジー・ローハン、ユーチューバーのジェイク・ポール、Akonとして知られる歌手のアリウネ・チアム氏がいる。

　　“著名人たちはTRXとBTTの宣伝のために報酬を得ていたが、ソーシャルメディア上の彼らの宣伝では、報酬を得ていたことやその金額を公表しなかった。したがって、一般の人々は、これらの有名人がTRXとBTTに公平な関心を持っており、単にお金をもらったスポークスパーソンではないと誤解させられた。”

　　SECによると、TRXとBTTの宣伝と販売におけるサン氏の行為は、証券法に部分的に違反していたという。サン氏が2018年4月から2019年2月にかけてTRXの60万件以上のウォッシュトレードに関与し、サン氏が3100万ドル以上のトークンを売却することにつながったと主張した。

　　SEC執行ディレクターのGurbir Grewal氏は「我々は問題になっている技術については中立だが、投資家保護に関しては中立ではない」と述べた。さらに「訴状で主張されているように、サン氏と他の人々は、まず登録と開示要件を遵守せずに証券を提供し、次にまさに証券の市場を操作することによって、投資家を誤解させ、損害を与える手法を使った」と非難した。

　　マホーン氏とソウルジャ・ボーイ氏を除いて、この事件で名前が挙がった他の有名人はSECと和解し、40万ドル以上の遺棄金、利息、罰則を支払うことに同意している。米国の規制当局は、サン氏に対して仮想通貨証券を提供する会社の役員や取締役として行動することを「永久に禁止する」予定だと述べた。