ビットコイン、20,000ドル台に急落、雇用統計でどうなる？【仮想通貨相場】

　　

　　著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

　　東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

　　ポイント

　　・20,000ドル台前半に下落

　　・シルバーゲート清算、SVB株暴落で金融不安懸念

　　・Blockchain.comの資産運用子会社閉鎖やNY司法当局のKuCoin提訴

　　・50bp利上げ織り込みは6割に低下、雇用統計次第で下値余地も

　　昨日のBTC相場

　　昨日のBTC相場は下落。

　　22,000ドル（約300万円）を割り込むと海外時間に入り21,000ドル（約285万円）を割り込み、20,000ドル（約270万円）でサポートされている。

　　2日にわたるパウエルFRB議長証言を受け3月FOMCでの50bp利上げの織り込みが一時8割に達したこともあり、BTCは上値を抑えられると、暗号資産業界にドル決済サービスを提供していたシルバーゲートが銀行業務の縮小・清算を発表したことを受け、22,000ドルをクリアに割り込んだ。

　　また予算教書でバイデン大統領が暗号資産の損出しによる税控除の廃案を提案をするとBloombergが報じたことも相場の重石となったか。

　　海外時間に入り、週次の新規失業保険申請件数が予想を上回り、米長期金利が低下、BTCはやや値を戻したが、シリコンバレーバンクの持ち株会社SVBフィナンシャル株が増資が嫌われ前日比で6割下げると、シルバーゲートと合わせて金融不安に対する懸念が浮上、米株が下げに転じ、BTCも21,000ドル台半ばに値を下げた。

　　更に、Blockchain.comの資産運用子会社閉鎖が伝わり、21,000ドルを割り込んだ。

　　しばらく21,000ドル近辺でもみ合っていたが、NY司法当局がセイシェルに本拠を置くグローバルな交換所KuCoinを同州における無許可証券販売で提訴、更に当局が証券と指摘した暗号資産にETHが入っていたことも衝撃を与え、BTCは20,000ドル台前半まで値を下げている。