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DeFiを語る言葉選びを再考しよう【コラム】 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

DeFiを語る言葉選びを再考しよう【コラム】 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン WikiBit 2022-11-10 21:00

「言うことの中身ではなく、言い方が重要」という格言は、使う言葉よりもトーンや自信の方が(時には)、人を後押ししてくれる可能性があるという考えを強調するためのもの ...

  「言うことの中身ではなく、言い方が重要」という格言は、使う言葉よりもトーンや自信の方が(時には)、人を後押ししてくれる可能性があるという考えを強調するためのものだ。この格言が当てはまる場合もあるかもしれないが、分散型金融(DeFi)に関して話す場合には、当てはまらない。言葉はとても重要なのだ。

  DeFiについて私たちが使う言葉は、DeFiシステムと伝統的金融システム(TradFi)の根本的な違いを示すものでなければならない。世界中の政策決定者たちが、比較的新しいイノベーションであるDeFiに重点を置き、DeFiを理解し、規制しようとする現在、これはとりわけ重要なことである。

  DeFiエコシステムの多くの側面を深く検討してきた私は、DeFiで使われる言葉についていくつか不満を抱えている。ここで紹介する例はすべてではないが、頻繁に登場するもので、混乱を生じたり、法律や規制の面で困難を生じさせる可能性もあるものだ。

  これは法律に関するアドバイスではない。これから紹介するコンセプトは、DeFiについて語る上で常識的なアプローチを明らかにするものであり、分散化について混乱がないようにするものだ。

  分散化が何を意味するのかということは、数えきれないほどの記事や投稿、ポッドキャスト、ツイートのトピックとなってきており、私の考えの背景にもなっている。

  「プラットフォーム」という言葉を使うのはやめませんか?

  プラットフォームとはなんだろう?DeFiプロトコルとフロントエンドを合わせたものだろうか?DeFiプロトコルとフロントエンドとDAO(自律分散型組織)を合わせたものだろうか?プロトコルとDAOだろうか?プロトコルだけ?まったく違う何か?

  さらに追い打ちをかけるように、CeFi(中央集権型金融)企業も自社プロダクトを表現するのに「プラットフォーム」という言葉を使う。「プラットフォーム」はDeFiにおいては本当の意味を持たない。

  金融取引のために事前にプログラムされたルールを規定する一連のスマートコントラクトという、DeFiシステムの話をしているのなら、それは「プロトコル」である。

  DeFiの仕組みを正確に反映しよう

  DeFiソフトウェアの開発のために、企業やその他正式な組織から報酬を受け取っているのだとすれば、ソフトウェア開発会社に勤めているということになり、「Xラボの社員です」ということだ。

  X DAOが採用したガバナンス提案を作成し、DAOから報酬を受け取っている場合にのみ、「プロトコルのために仕事をしている」と言うことができる。

  「プロトコルで働いている」と表現するべき事例は存在しない。自律的なソフトウェアで働くことはできないのだ。どこで働いているのかと、誰のために仕事をしているのかを混同してしまうと、分散化の部分を混同することになる。

  つまり、実際にはXラボで働いているのに、X DAOが運営するXプロトコルで仕事をしていると言ってしまっては、開発会社がプロトコル向けにすること、分散化の場合にはしないことを、一緒くたにしてしまうことになるのだ。

  DeFiに「顧客」はいない

  DeFiプロトコルで取引を行う人は、プロトコルや開発企業の「顧客」ではなく「ユーザー」だ。顧客の定義とは、企業からモノやサービスを買う人のこと。仲介業者には顧客がいるが、完全に分散化したシステムに顧客はいない。

  DeFiプロトコルのユーザーは、自らのウォレットを通じて、自分で金融取引を開始する。そのやり取りはピアツープロトコルで、仲介業者は存在しない。

  プロトコルは「あなたの」ものではなくみんなのもの

  プロトコルはXラボ「のもの」ではない。Xラボが分散型プロトコルを作り出し、それが何らかのDAOに管理されているなら、そのプロトコルはコミュニティのものだ。

  Xラボが「我が社のプロトコル」、「我が社の顧客」、「我が社のユーザー」という表現を使ってしまったら、それは仲介業者、オーナー、運営会社の言葉遣いである。

  完全に分散化したシステムにおいては、中央集権型のオーナー・運営者は存在しない。スマートコントラクト基盤のプロトコルを通じて取引を実行するユーザーがいるだけだ。

  DeFiは「アヒルのように」歩かない

  「アヒルのように歩いて、アヒルのように泳いで、アヒルのように鳴く鳥はアヒルだ」という表現がある。DeFiの一部の機能やプロトコルは、TradFiシステムと類似しているように見えるが、DeFiでTradFiと同じ言葉を使ってしまうと、仲介業者が取り巻く、TradFiと同じシステムを暗示することになる。

  「DeFiは違うんだ」ということを印象付けたければ、違う言葉を使わなければならない。TradFiとまったく同じ方法でDeFiについて語ってしまっては、DeFiとTradFiの大切な違いを明確にすることはほとんど不可能で、法律・規制の世界で異なる扱いをしてもらうことも一段と困難になる。DeFiがTradFiのアヒルと同じに扱われないようにしよう。

  私たちは言葉選びをもっと改善することができるし、この新しく、活況なテクノロジーは、それに値する。暗号資産取引サービスを提供するシェイプシフト(ShapeShift)の創業者エリック・ボーヒーズ(Erik Voorhees)氏が言った通り、「(DeFiが)あなたの心を喜び、希望、インスピレーションで満たさないのだとしたら、何かを見落としている」のだ。

  あなたが開発者でも、ユーザーでも、DAOの参加者でも、DeFiについて語る言葉を変えることは、DeFiがより良いシステムのためにもたらす希望を認識する道のりにおける、小さな一歩になるだろう。

  レベッカ・レティグ(Rebecca Rettig)氏は、ウェブ3向けのブロッックチェーン基盤のソフトウェアを開発するソフトウェア開発企業グループAave Companiesのジェネラル・カウンセルである。

  |翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂n|画像:Shutterstockn|原文:Stop Using the Word ‘Platform’, and Other DeFi Language Pet Peeves

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