ノルウェー中銀、CBDCのサンドボックスを公開｜イーサリアムを使いデジタル通貨を構築

　　Helen Partz 2022年09月13日 07:41 ノルウェー中銀、CBDCのサンドボックスを公開｜イーサリアムを使いデジタル通貨を構築

　　ニュース

　　ノルウェー中央銀行は、同国の中央銀行デジタル通貨（CBDC）サンドボックスのオープンソースコードを公開し、デジタル通貨の取り組みにおいて大きなマイルストーンを達成した。

　　ノルウェー中央銀行のCBDC公式パートナーのNahmiiによると、GitHubで公開されたサンドボックスは、テストネットワークのインターフェースを提供し、ERC-20トークンの鋳造、バーン、転送などの機能を実現するよう設計されているという。

　　NahmiiはL2ソリューションでL2最初の決済ネットワークとして知られる。現在のバージョンのコードは設計上、主要なイーサリアムウォレットであるメタマスクをサポートしておらず、適切な認証情報を持つユーザーのみが個人的にアクセスできるようになっている。

　　ノルウェー中央銀行のサンドボックスには、適切なスマートコントラクトとアクセス制御の導入に加え、カスタムフロントエンドとBlockScoutやGrafanaなどのネットワーク監視ツールも含まれている。フロントエンドでは、ネットワーク上のトランザクションのフィルタリング可能なサマリーも表示されるという。

　　同行は9日にツイッターで、ノルウェーのCBDCプロトタイプインフラがイーサリアム技術をベースにしていることに言及した。

　　同中央銀行は以前、5月のCBDC関連のブログ記事でイーサリアムに言及した。イーサリアムの仮想通貨システムが、デジタルの中央銀行通貨（DSP）の発行、流通、破棄のための「中核インフラ」を提供する見込みであるとしていた。「プロトタイプは、DSPのための重要な機能の多くをテストするために使用される」という。

　　既報の通り、ノルウェー銀行は昨年4月にCBDCテストを実施する計画を正式に発表し、2年間にわたりさまざまなデザインを試している。

　　2021年11月、同中央銀行は、イーサリアム、ビットコイン、ビットコインSVなどのブロックチェーンに基づくものを含む、CBDCデザインに言及したワーキングペーパーを発行。さまざまな技術的ソリューションを検討する中で、相互運用性が最も重要な問題の1つであると強調した。

　　国際通貨基金によると、2022年7月時点で世界の中央銀行の半数以上にあたる97カ国がCBDCを模索または開発していることを示す報告書を発表した。一方、これまでにCBDCプロジェクトを本格的に立ち上げた国は、ナイジェリアとバハマなど2カ国だけだとIMFは述べている。

　　Global CBDC development in 2022. Source: IMF