謎のウォレット、アクシ―・インフィニティのSLPトークンの50％以上を保有

　　Felix Ng 2022年08月31日 20:19 謎のウォレット、アクシ―・インフィニティのSLPトークンの50％以上を保有

　　ニュース

　　1年近く前から、アクシ―・インフィニティの謎のウォレットは、業界で最も人気のあるP2E（Play to Earn）仮想通貨ゲームの1つであるゲーム内仮想通貨のSmooth Love Potion（SLP）を静かに蓄えている。

　　現在、この匿名のクジラウォレットには220億SLP強があり、これはトークンの総流通量の50％以上に相当する。

　　問題は、このウォレットが誰のもので、どんな意図があるのか、誰もわからないことだ。

　　問題のウォレットは、アクシー・インフィニティのプレイヤーで起業家のマイケル・ベンコ氏が8月25日に初めてこの謎のウォレットの存在を知り、コインテレグラフの目に留まったものだ。

　　心配する必要はあるか？

　　ベンコ氏はコインテレグラフに対し、このウォレットが比較的短時間で集めたSLPの量から、ゲームのエコシステムに大打撃を与える可能性があると懸念していると述べている。

　　「ウォレットが大量のSLPを保有する意義は、それが個人であれば、その人が経済圏に対して大きな支配力を持つことになる。特にトークンをミントするのが難しい経済圏では、大きな支配力を持つことになる」

　　2021年に発売されたアクシー・インフィニティは、ブロックチェーンを利用したゲームで、プレイヤーはキャラクター（アクシ―）のNFTを購入し、それを繁殖させて他のプレイヤーと戦うターン制のゲームだ。

　　SLPは、デイリークエストのクリア、「アリーナ」モードでの他プレイヤーとのバトル、「アドベンチャー」モードでのAIとの対戦などで獲得することができる。SLPは、アクシーの育成、ゲーム内のルーンやチャーム（パワーアップアイテム）のクラフトに使用できるほか、取引所での売却も可能だ。

　　ベンコ氏は、最新のシーズンアップデートにより、平均的なアクシー・インフィニティのプレーヤーは、ゲームの腕前にもよるが、1日に10～70のSLPを生成できると指摘している。

　　「もし誰かが220億SLPを持っているとしたら......それは本当に価格を横ばいにするか、あるいは本来なら自然な市場の状況によって価格が上がるはずのところを下げ続けさせることができるということだ」

　　Coingeckoによると、仮想通貨の現在の価格は0.004ドルで、2021年7月13日の史上最高値0.40ドルから99％下落している。

　　誰が保有しているのか？

　　このウォレットの存在をどうやって説明すればよいのか。はっきりとした答えはまだ見えていない。

　　ベンコ氏は当初、このウォレットは「アクシー・インフィニティがSLPを獲得したプレイヤーに自動的に分配するための何らかのシステム」であると推論していた。

　　しかし、スカイメイビスの共同創業者兼COOのアレクサンダー・ラーソン氏はコインテレグラフに対し、スカイメイビスもアクシー・インフィニティもゲームの仮想通貨を一切保有していないと述べ、次のように述べている。

　　「現存するすべてのトークンは、プレイヤーによって生み出されたものである」

　　Yield Guild Games（YGG）の共同設立者であるギャビー・ディゾン氏（アクシーのプレイヤーにとって主要なDAOの1つ）は、YGGはウォレットを所有していないと述べ、取引所が流動性を保持するために使用しているウォレットである可能性を示唆した。

　　「私たちは通常、ミントされたSLPをすべて繁殖に使用しているため、これが私たちのものだと考えないでほしい」と言い、「最も可能性の高い説明は、取引所が流動性のためにそれを保持していることだ」とディゾン氏は付け加えた。

　　しかしベンコ氏は、多くのSLP取引でバイナンスが送信者または受信者になっているが、取引を見るとバイナンスが所有するウォレットとは思えないと指摘している。

　　「バイナンスには（すでに）公式ウォレットがあるようで、これはそのウォレットではないようだ」

　　コインテレグラフはバイナンスにコメントを求めたが、記事執筆時点では回答が得られていない。