テザー、イーサリアムのPoSへの移行に支持表明　「ブロックチェーンの歴史における最も重要な瞬間」

　　Brian Quarmby 2022年08月11日 06:30 テザー、イーサリアムのPoSへの移行に支持表明 「ブロックチェーンの歴史における最も重要な瞬間」

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　　ステーブルコイン大手のテザーは、イーサリアムの「マージ」アップグレードとPoS（プルーフ・オブ・ステーク）コンセンサスベースのブロックチェーンへの移行を支持することを正式に表明した。

　　今回のテザーの発表は、USDコイン（USDC）の発行元であるサークルの発表に続くものだ。

　　テザー社は火曜日の声明で、マージは「ブロックチェーンの歴史における最も重要な瞬間」の1つであるとし、現在9月19日に予定されているイーサリアムのアップグレードスケジュールに従って行動するとしている。

　　「テザーは、コミュニティへの混乱を避けるため、特にDeFiプロジェクトやプラットフォームで当社のトークンを使用する場合、POSへの移行がエコシステム内に混乱や被害をもたらさないことが重要であると考えている」

　　「テザーは、このイベントの進捗と準備を綿密にフォローし、公式スケジュールに沿ってPOS イーサリアムをサポートする。私たちのトークンを使用するものを含むDeFiエコシステムとそのプラットフォームの長期的な健全性には、スムーズな移行が不可欠だと考えている」とテザーは付け加えている。

　　公式声明は本日発表されたばかりだが、安定化コインの発行元の最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏は、すでに7月に、Merge後のEth2に対応する予定であることを以前から示していた。

　　CoinGeckoによると、テザー（USDT）は現在、仮想通貨で最大のステーブルコインで、時価総額は666億ドルになる。USDCは541億ドルで比較的すぐ後ろにある。どちらのステーブルコインも、その流通供給量のかなりの部分がイーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク（PoW）ブロックチェーン上にあり、その額は記事執筆時点ではUSDTが323億ドル、USDCが451億ドルとなっている。

　　これらのステーブルコインの規模やステーブルコイン市場におけるドミナンスを考えると、今回このようなサポートを示すことで、イーサリアム、テザー、USDコインのエコシステムや仮想通貨市場全体がスムーズにPoSへと移行することになるはずだ。

　　しかし、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が最近警告したように、テザーやサークルといったステーブルコイン発行体が、彼らが将来のイーサリアムのハードフォークで重要な存在になる可能性がある。たとえばイーサリアムコミュニティが提案したものではなく、自分たちの好みのフォークしたチェーンを選択するといったようなこともあり得る。

　　「将来的には、それは間違いなく懸念されるようになると思っている。基本的に、どのチェーンをイーサリアムとみなすかというUSDCの決定が、将来的に争いの絶えないハードフォークにおいて重要な決め手となり得るという事実だ」と述べていた。

　　今週イーサリアムはGoerliテストネットを通じて最後のマージに向けたトライアルが行われる。すべてが計画通りに進めば、9月19日にマージが行われると予想されている。