ウィキメディアコミュニティ、財団による仮想通貨寄付の停止を支持

　　Turner Wright 2022年04月14日 08:51 ウィキメディアコミュニティ、財団による仮想通貨寄付の停止を支持

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　　ウィキペディアを運営するウィキメディア財団に、仮想通貨による寄付の受け入れを停止するよう求める提案に対し、利用者の大多数が賛成票を投じた。

　　提案に関する12日の更新によると、回答したウィキメディアの貢献者の約71％に当たる326人中232人が、ウィキメディア財団が仮想通貨による寄付の受け入れを停止することに賛成した。提案に賛成する論拠は、ビットコイン（BTC）取引を取り巻く環境問題や、「仮想通貨を受け入れることで運動の評判が下がる危険性」という。

　　コミュニティは1月10日に初めてこの提案をコメントとして公開し、エルサルバドルがBTCを法定通貨として採用したこと、不正な金融活動のためのツール、金融包摂におけるデジタル資産の役割といったトピックに議論を拡大した。しかし、話題の大半は、仮想通貨のエネルギー使用量と環境への潜在的影響に集中した。

　　「仮想通貨は、環境の持続可能性に対するウィキメディア財団のコミットメントに沿わないかもしれない。ビットコインとイーサリアムは最も使用されている仮想通貨で、どちらもプルーフ・オブ・ワークであり、膨大な量のエネルギーを使用している。（中略） 現在のモデルは、環境に対して極めて有害であり続けている。より環境に優しい仮想通貨はあるが、あまり広く使われていない」

　　この提案に反対する議論の中には、「エネルギー消費がはるかに少ない」プルーフ・オブ・ステークの仮想通貨や、トークンを使って「寄付や金融に携わるより安全な方法」を提供することなどが含まれていた。あるユーザーは、悪い評判に対する反論として、ウクライナ政府が仮想通貨の寄付を受け入れていることを挙げた。

　　「仮想通貨はウィキメディアが寄付を受け入れるためのオプションであるべきだ」と、3月14日にユーザーC933103は投稿した。「ウィキメディアは仮想通貨で寄付を受け入れているのであって、仮想通貨を配っているわけではない。もしある国の法律が銀行を通じたウィキメディア財団への寄付を禁止しているなら、それはウィキメディア財団ではなくその国が間違っているのだ。また、寄付を受け取る代わりに、制裁の対象となりうる新たな経済活動や、違法行為の資金調達に利用されることがないよう、受け取った通貨はすべて財団の口座ですぐに法定通貨に変換されるようになっている」

　　しかし、ウィキメディアの投稿者であるTrueAnonymanは、提案を支持し、こう付け加えた。

　　「仮想通貨の寄付を受け入れないことによる経済的効果はごくわずかであり、様々な環境や社会的害悪と強く結びついた技術を支持していると見られることによる、ウィキメディア・プロジェクトへの風評被害がはるかに上回るだろう」

　　同財団は1月に、昨年度の売上高の約0.08%に相当する約13万ドル相当の寄付を仮想通貨で受け取ったと報告。寄付をした347人のうち、最も使用された仮想通貨はビットコインだった