時価総額最大のステーブルコインを運営するテザー社は、顧客にシグネチャー銀行の決済プラットフォームを利用して送金できるようにし、米国の銀行へのアクセスを可能にしていたと報じられている。
Turner Wright
2023年04月05日 07:19
テザー、シグネチャー銀を通じて米国銀行にアクセスか=報道
時価総額最大のステーブルコインを運営するテザー社は、顧客にシグネチャー銀行の決済プラットフォームを利用して送金できるようにし、米国の銀行へのアクセスを可能にしていたと報じられている。
ブルームバーグの4月4日の報道によると、テザー社はバハマにあるキャピタル・ユニオン・バンクへ送金する顧客に、シグネチャー銀を通じてドルを送金するよう指示した。これにより米国の銀行システムへのアクセスを確保していた。規制当局がシグネチャー銀を管理下に置いた3月の時点でも、このシステムは継続していたという。
テザーとシグネチャー銀間の取り決めは違法ではないが、投資家に情報を開示しないことは、高いリスクを示唆するものだ。テザーの報道担当者によると、同社が利用する銀行は「常に複数の銀行チャネルと取引先にアクセスしていた」とし、関連する事業体はシグネチャー銀への「直接的または間接的なリスクに影響されない」と語った。
ニューヨーク州金融サービス局は、シグネチャー銀の閉鎖を3月12日に発表。この決定は、「米国経済を守る」ために連邦預金保険公社(FDIC)と共に行われた。ステーブルコイン発行者のパクソスは、シグネチャー銀に2億5000万ドル(約28億5000万円)を保有していたと報じられている一方で、テザーの技術責任者パオロ・アルドイーノ氏は、同社は当該銀行に対するエクスポージャーがなかったと述べている。
米国議会は、シルバーゲート銀やシリコンバレー銀に続く、仮想通貨に寛容な銀行の破綻について引き続き調査している。3月28日の上院銀行委員会で、FDICのマーティン・グリューンバーグ委員長は、シグネチャー銀が伝統的な銀行リスクを適切に管理していなかったと述べた。シグネチャー銀は、FTX取引所の破綻を受けてデジタル資産への露出を減らしていたが、あるユーザーは、FT元X最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマン=フリード氏による詐欺を「助長し、幇助した」として訴訟を起こしている。
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